そらばけ いわゆる草食系男子ってやつ? 「すいませんでした。もうしません。許してください。」 「まったくこんなか弱いおなごに飛びかかるとか何考えてんのよ。」 「か弱いかどうかは疑問…さーせんした。」 謝り倒すまで軽く『じゃれあった』あとも、何か余計なことを口走る度に睨みつけてやる。 ちょうど行こうとしていたケーキ屋のアルバイト店員がこいつ――修だ。ついでに、残念ながらクラスメートでもある。 「残念ながらってなんだ!残念ながらって!!」 「心読まないでよ。硝子のハートがブロークンだよ。」 「ガラスはガラスでもあきらのは強化ガラス――――ぐはっ…」 持っていた通学鞄を勢い良く投げつけ、間髪おかず強烈なアッパーを見舞って失礼な口を黙らせる。 こんななのにクラスの女子での人気は高いから、不思議で仕方ない。 今をときめく草食系だから?飽きないから騒がしい方がいいから?うーん? 「二人共遊ばないのー。修はバイト、遅れてるんじゃない?」 その一言には蛙の潰れたような声が答える。…正確には、ケーキ屋のエプロンを付けた店員が鬼のような形相で修の首根っこをひっつかんだから、なんだけど。シフト、それも早番か何かだったらしい。 首が締まってるせいか、精神的な要因かは知らないけど、顔色が青いままお調子者はケーキ屋に引き連られていった。 [*前へ] [戻る] |