そらばけ
『おやすみ3秒』で有名です
ガタン ッ!!
不意に足場が消えた…ように感じ飛び起きる。ほら、よくあるじゃない。夢の中で階段から落ちるような、あれ。
「ん…あ…いつの間にか寝てたのか…」
「あきちん…びっくりさせないでよ…。」
窓際に腰掛けていたさやが驚いた顔をしている。珍しい。その隣にはるがいない。散歩かな。
数回まばたいて辺りを見回したけど、まだしばらくは授業らしい。小さく腕を延ばして――――
「井黒さん、お目覚めなら授業の準備してね。じゃあ、高橋さん。続きを。」
「……………へぇい。」
「――――えぇと…『もちろん、彼女たちは全てを知らないのだ。』」
いきなり飛び起きたあたしを気に止めるでもなく、先生はにこやかに笑って授業を続ける。
ちくしょ。もうちょっと寝ようかと思ったのに…。目ざとい。
「授業中に寝てるのもどうかと思いますけど。」
「うわ。びっくりした。いきなり生首しないでよ。」
机をすり抜け顔だけを出しているはるのこの状況は、まさしく見る人が見れば、生首が机の上に乗ってる状況。まぁ、あたしにしか見えてないんだけど。
それにしても…
「だる…」
「あっ、ちょっ…あきちん!」
日々の青春でお疲れ様なあたしは、教科書を枕に再び机に突っ伏す。
窓からは眠気を誘うポカポカ陽気が変わらず降り注いでいた。
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