そらばけ
お決まりの朝
「だあああぁぁぁ!寝坊したっ!!」
制服を引っ掴んでベッドから飛び降りる。枕元の目覚まし時計はすでに鳴り止みうんともすんとも言わない。ただチクタクと秒針が進む音だけが聞こえてくる。
「あ。ようやく起きたの。じゃあ、行ってくるからあとよろしく。」
「ちょ…ま……っ」
あたしが何か(起こしてよ!とか、あとよろしくって何さ!とかその他いろいろ)を言うよりも早く、身支度を済ませていた母上様は言いたいことだけ言ってさっさと出て行ってしまった。いつもながら勝手、というかゴーイングマイウェイな人である。
「じゃない!さっさと着替えないと!」
…結局。
家を出たのはそれから10分後のことだった。
[次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!