崎谷家の日常 5 「せっかく万事うまくいく計画が・・・。」 「今回のは無理だな。」 「元凶が何を言ってる!!」 「元凶はお前だ。」 ・・・もう力尽きた。 合宿の疲れと、二日酔いと、崎谷。 もう全てから開放されたい。 「部屋に帰る。」 「三日俺を放っておいたんだ。これから付き合え。」 崎谷の部屋に連れ込まれて、投げられたのはベッドの上。 手錠はつけたままで、奴は俺のシャツのボタンをせっせとはずしている。 「くそ・・杉崎・・。」 「なんで奴の名前を呼ぶ。」 崎谷の不機嫌な声を無視して続ける。 「明日からの学校どうすりゃいいんだ。あいつは親衛隊隊長だぞ。」 思い出されるのは、編入当初の親衛隊からの攻撃。 崎谷と一緒に車で送迎されている理由で、様々な罠にかけられそうになった。 全て避けたけど。 一緒に歩いた親切な友人たちが、次々にずぶ濡れになったり、地味な切り傷とかを負ったりしていくのは良心が痛んだ。 「あれは俺との不仲説があったからだ。」 「・・・・で?」 「諦めて俺との関係を公表すれば大丈夫だろう。」 「・・・・・」 「今日みたいなのを見せられたら、もうお前を自由には出来ない。」 「なに勝手なこと・・。」 もう黙れとばかりに口を塞がれる。 もちろん奴の口で。 大体こいつは杉崎と散々やってたんだろ? なんでここから俺が相手しなきゃならない!? 恨み言は全て奴の口の中に消えてった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |