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あなたの傍に
No.3



「それじゃ、中佐は大佐と仲良く寝て下さいね💖」
「えっ!?」
「頑張って下さい、応援してますよ」
「え、アニス!?イオン様!?」


宿屋に着くなり、アニスとイオン様は笑顔で言い残して部屋へと行ってしまった。
あたしはそれをぽつーんと見ていることしか出来なかった。


「……はっ!ど、どうしよう……」


しばらくしてようやく我に返ったあたしはどうしようかと悩んだ。
でも、悩んでてもしょうがないわよね……と思い、自分にあてがわれた部屋に向かった。


部屋でのんびりしていると、ジェイドが帰って来た。


「お帰り、ジェイド」
「……すみません、間違えました」
「待って!?間違えてないから!」


ドアを開けてあたしの姿を見たジェイドは一瞬固まった後、ドアを閉じようとしてあたしは慌ててそれを止めた。


「ですが……」
「良いから、入って!」


あたしはジェイドを引っ張り、なんとか部屋に入れて事情を説明した。


「そうでしたか……」
「うん……」


部屋に長い沈黙が流れた。


うう、ジェイドと2人っきりになることなんて滅多に無いから緊張が……
でも、告白するチャンスかもしれない……!
せっかく、アニスとイオン様が気を利かせてくれたんだから……!
ああでも、失敗したら今までの関係ではいられなくなってしまうかもしれない……!
でも、やらず後悔するより、やって後悔する方が良いとも言うし……
どうしたら良いの……!?


「ソフィア?大丈夫ですか?」
「え?あ、大丈夫よ!その……ジェイドに、話したいことがあって……」
「なんです?」
「ええと……あ、そうそう、あのルークとティアって子が超振動の発生源だと思うわ」


告白しようとして仕事の報告をするなんて……っ!!
やっぱり駄目だわ……っ!!


「やはりそうですか」
「やはりって……気付いてたの?」
「ええ。それから……私も貴女に話したいことがあるのですが」
「何?」
「……いつまで私の腕を掴んでいるつもりですか?」
「……え?あ!ご、ごめんなさいっ!」


ジェイドに言われてようやく気付いたあたしは、慌ててぱっと手を離した。


あたし、今までずっとジェイドの腕を……!?
ど、どうしよう……!


「ご、ごめん、ジェイド、あたし……」


恥ずかしさと申し訳なさで顔が見れなくて俯いていると、目の前が真っ暗になった。
正しく言うと、あたしはジェイドに抱き締められていた。


「ジェ、ジェイド!?」


驚いて顔を上げると、ジェイドの綺麗な顔がすぐ近くにあった。


か、顔が近い……っ!?


顔に熱がこもっていくのが自分でも分かる。
多分、今のあたしの顔は真っ赤になっているだろう。


「ふふ、可愛い人ですね」
「か、可愛いって、あたしは……!」
「ソフィア」


あたしの名前を呼んだジェイドは、顔を更にぐっと近付けた。
お互いの呼吸が分かるほどに。


「ジェイ、ド……?」
「ソフィア、貴女を愛しています」
「……え?」


今、なんて言った……?


「子供の頃からずっと、貴女のことが好きでした」
「……ほん……とに……?」
「この状態で嘘が言えると思いますか?」


確かに、抱き締めている状態で嘘の告白をするような人間は居ないだろう。
でもあたしは、まだ信じられなかった。夢を見ているようで。
だから確認の為にあたしも想いを告げてみようと思った。


「あたし…………あたしも、子供の頃からずっとジェイドのことが……っ!?」


告白しようとすると、突然ジェイドに唇で塞がれた。


え……!?まさか……キス……!?


少しして唇が離れると、ジェイドはあたしを抱き締めながら優しく微笑んだ。


「そう言って下さって安心しました。これからも、ずっと私の傍に居て下さいね、ソフィア」
「ジェイド……。ええ、もちろんよ。ずっと傍に居るわ」


1度離した唇を、もう1度確認するように重ね合わせた。
そうして、幸せを噛み締めながらあたしとジェイドは眠りについた。

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あきゅろす。
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