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あなたの傍に
No.2


コーラル城の中をしばらく進むと、広い空間に辿り着き、そこには巨大な音機関が置かれていた。
その音機関は前に見たことがあった。


あ、あれは、まさか……!


「なんだぁ!?なんでこんな機械がうちの別荘にあるんだ?」
「これは……!」
「ジェイド、やっぱり……」


珍しく驚いた様子を見せたジェイドを見て、あたしはやはりそうなのかとジェイドを見る。


「大佐と中佐、何か知ってるんですか?」
「……いえ……確信が持てないと……いや、確信出来たとしても……」


そう言って一瞬ルークを見たジェイドは顔を俯かせた。


「な、なんだよ……俺に関係あるのか?」
「……まだ結論は出せません。もう少し考えさせて下さい」
「珍しいな。あんたが狼狽えるなんて……」


そうガイがジェイドに近付いて話し掛けた。


「俺も気になってることがあるんだ。もしあんたが気にしてることがルークの誘拐と関係あるなら……」
「きゃーーーーっ!!」


ガイが話していると、ネズミに驚いたアニスが突然ガイの背中に飛びついた。


「う、うわぁっ!!やめろぉっ!!」


ガイは大袈裟と言える程の動揺を見せ、アニスを振り落として頭を抱えた。


「な、何……?」
「あ……俺……」
「どうしたの、ガイ?今の普通じゃなかったわよ?」
「……すまない。体が勝手に反応して……。悪かったな、アニス。怪我は無いか?」
「う、うん」
「何かあったんですか?ただの女性嫌いとは思えませんよ」


イオン様がアニスの手を取って立ち上がらせながらガイに尋ねられた。


「悪い……分からねぇんだ。ガキの頃はこうじゃなかったし。ただすっぽり抜けてる記憶があるから、もしかしたらそれが原因かも……」
「お前も記憶障害だったのか?」
「違う……と思う。一瞬だけなんだ……抜けてんのは」
「どうして一瞬だと分かるの?」
「分かるさ。抜けてんのは……俺の家族が死んだ時の記憶だけだからな」
「……そう……だったのね……」
「俺の話はもう良いよ。それよりあんたの話を……」


あまり話したくないのか、ガイはジェイドに話を聞こうとした。


「貴方が自分の過去について語りたがらないように、私にも語りたくないことはあるんですよ」
「誰にでも話したくないことの1つや2つあるものよ。あたしも……そうだから」
「ソフィア?」
「何でもないわ。行きましょ」


不審がったジェイドに、あたしはそう言って先に進んだ。

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あきゅろす。
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