4 ブラブラ歩いていると、後ろから声をかけられた。 「あ、サボリだ」 「…総悟もじゃん」 総悟だ。多分見回りと称してサボってるんだろうな。なんかアイス食ってるし。 「土方さんが探してたぜィ」 「…マジか」 あれだけ隊士がいるから一人くらい紛れてもわかんないだろう、と思ってたけど。早速バレてたみたい。さっすがトシだなぁー、なんて思ってにやけてたら「頭大丈夫?」みたいな目で総悟君に見られてた。 「見つかったらやべぇんじゃねぇですかィ?」 「だよねー、どーしよう…」 「そんなん簡単でィ、土方コノヤローを抹殺すれば良いんでさァ」 「誰がするかそんな破滅的な事」 そう言うと、あーなまえはそうでしたねェ、あァうぜぇうぜぇ頼むから死んでくれねェかな、とか言われた。総悟とは付き合いが長いから、私の恋心は大分前に容易く見抜かれている。 「…どーしたら良いんだろ」 「知るかィ」 「そうだよね…総悟からマトモな答えを期待した私がバカだった」 「なまえ、死にてェらしいなァお前」 「全力で遠慮しますごめんなさい」 私がゴリゴリと地面に額をこすりつけると、総悟君は迷い無く私の後頭部を踏みつけた。ぐりぐりと力一杯踏んでくる。 「あだぁぁぁぁぁ!!ちょ、待って、ハゲるから!マジでハゲるからやめてぇぇぇぇ!」 「土方さんはドSですからねィ。今の内からドSに慣れときなせェ」 「だからって外でSM繰り広げたくないあだだだだだだ!」 周りの人たちが珍獣を見るみたいな目つきで私たちを見ている。よく平気だな総悟君。私この視線耐えられんんんん! 何とか脱出しようともがいていると、 「ほァったァァァァァァァ!!」 救世主が現れた。 「神楽ちゃんんんん!」 「なまえになにしてるアルか!」 神楽ちゃんが私と総悟の間に立ちはだかる。アレ?なんか神楽ちゃんかっこよくね?ヒーローっぽくね? 「いってェなァチャイナ娘…そういやお前に借りがあったよーな気がする」 「ちょっと総悟君、適当な言いがかり作らないでよ。それに街で喧嘩は…」 「上等アル、死ねェェェェ!」 あ、もうムリ。コレ止めたら死ぬ。総悟とかバズーカ持ち出してるし。街中だけど普通に撃ってるし。神楽ちゃんも平気で居酒屋さんの看板を武器にしてるし。 うん、トンズラしよう。 私はそそくさとその場を離れた。 [*前へ][次へ#] |