=入口=
陰る愛
白の洪水が言葉で思考する
何を言っているのか解らない
はねのけては溺れる色
貴方が浮かぶ
貴方が沈む
細めた睫毛に乗る虚像
指し示す指先がぼやけて閉じる
黒い太陽に囓り取られた嘘
貴方が見える
貴方が消える
点滅信号で口笛を吹く
此処はいつも風が強い
私の右手が痺れても
貴方を繋いだ形を残して
追いかけた空虚をどうしたら
私の左手が痺れても
貴方を繋いだ温もりを止どめて
離さなければならない劣悪を何故
数はいつも足りない
貴方が触れる
貴方が離れる
哀しみは何処かで
磨り減らした踵を愛撫して
踊る息を白に
貴方が笑う
私が泣いてる
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