[携帯モード] [URL送信]

=入口=
静かに
歩いている

雪の夜が続く閑散とした路が
羽虫の散ったあとのようにけぶって
私達の足跡を隠してまわった

バターのようにとろけた灯が
この先も行けるのだろうと誘い出す

何処へとも知れず
迷い子となった私達は
口笛を賛歌にして平静を保つ
疲れた肩をとがらせて
アテの無い白の路を行く

頽れるまで朽ちるまで
そして諦めるまで

私達は静かに歩いている




6/100ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!