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=入口=
還元と絶望の詩[幸福と落雷とただの孤独]
ヒトは、私を神と呼ぶ。
或いは、魔性と呼ぶ。

私は、ヒトをヒトと呼ぶ。
如何なる時も、ヒトはヒト。

私に与えられたモノは
私が望んだモノではない。

けれども
幾らかは好きなモノも在り
中には
愛したモノも在る。

それはどれも美しく
愛らしく、気高く、綺麗で

そしてどれも似た様に
幸福に包まれ穏やかで

なのにどれも似た様に
落雷に砕けるごとく失ってしまう。

ヒトは、私を畏れ
ある時は罰し
ある時は敬い
そして等しく私を滅する。

何度も。

…何度も。

私のただ一つの願いは
誰にも願う事が出来ない。

私のただ一つの世界は
ただの孤独を私に与える。

それは哀しくはない。
それは寂しくもない。

ただ孤独で
ただ時は過ぎ
触れ合うヒトも皆
ただ通り過ぎて行く。

美しく、
愛らしく、
気高く、綺麗なモノ達は

一様に醜くなり、
残酷になり、
歪んで、不純になってしまう。

幾度も。

…幾度も。

ただ目をつぶるしかないのか。

ただ背を向けるしかないのか。

起源の知れぬ憤りを抱える。
行き着く先のない絶望を受け入れる。
総ての不条理を負い、
あらゆる負債を負う。

けれどヒトは
私を愛する事はない。

魅せられ、
壊れ、
散ってしまう。

私の幸福と落雷とただの孤独は
時を掛け、
命を掛けて繰り返される。

私の名を
呼ぶモノが在る限り。

全てのヒトの世の終焉まで。




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あきゅろす。
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