=入口=
きれいな
きれいなきれいな朝でした
こんなに泣いた朝なのに
鳥は歌い風は踊る
こんなに泣いた私なのに
新しい時間が始まったと気付く
ドクドク、波打つ心臓に
羽根の生えそな小指を放す
翔んで行こう
差し延べられた愛を仕舞い込んで
砂の感触を確かめよう
碧い風の中
不可思議な想いを浸して
あの頃を影送る
チカチカの目を凝らして
白い私を追いかける
きれいなきれいな夕闇でした
こんなに耐えた夕闇なのに
果ては焦がれ夜は生まれる
こんなに耐えたあなたなのに
霞む私に微笑みさえ気付かせる
クラクラ、発狂した脳内に
羽根を持たない小指を放す
翔んで行こう
これ以上の荷物は要らないから
砂地に埋もれた爪先を蹴って
暗い風の中
不可思議な想いを浸して
新しいを繰り返す
チカチカの目を凝らして
白いあなたを振り払う
もう会えない
もう会えないよ、可愛い恋人
さようなら
さようならだね、本当に
ありがとう
ありがとうなんて、いわないよ
きれいなきれいな一日でした
こんなにきれいな一日だから
あなたが居なくても
きっと私が居なくても
こんなにきれいな一日だったでしょう
振り返っても、笑えるよ
「翔んで行こう！」
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