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=入口=
君、絶望
融解寸前の左耳
網膜直前で直列停止
お前は誰だ
おまえはだれだ
誘惑はいつも真夜中
砂地にめり込む足先が冷たい

解っているさ
ピアスにさえ手が出ない
憶病風に吹かれて
心臓を痛めて君を見つめる

絶望 名前を与えた神を許すか
例えそうしたって逃しちゃくれない

眼前空白の朱空
飛翔直前で並列停止
此処は何処だ
ここはどこだ
鴉が鼻先で余韻を垂れる
風を孕んだ汗が冷たい

解っているさ
冷たいものはいつも少し
タイムラグを温めて優しい
肩を抱いたら君は見えない

絶望 存在を奪った神を許すか
例えそうしたって止どまれやしない

排除無名の淘汰
逡巡改革で行列停止
暗闇に落ちた
くらやみにおちた
魂の行方を失った刹那で
冷えた涙の行き場が無い

解っているさ
欠けた有限の時雨に佇む
狂った微笑みを酸欠にして
泣きながら離脱した君は消失

絶望 在れる証明の為に神を許すか
例えそうしたって変われやしない

何故許す
何故許した

解っているさ
何もかも完璧なミスディレクション
覚醒した瞳孔を断罪して
唇を噛んだ君の言い訳

絶望 そもそもに神の名も知らない
許しはただ 君を隠すだけ




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