=入口=
お別れ
口づけを交わして
お別れです
熱い涙はもう闇の底
箱を開けて
どうぞ笑って見せて
最後にはそっと
気付かないのでしょう
叫んで
満たしてみて
その壮絶に
私は微笑んで
頬寄せた愛情も
この終焉の為だったと
作り直すことは出来ない
俄に手を放した真実だからこそ
悔やんだ痕が
美しさを歪ませても
忘れてしまったのね
小さな人形を捨てるように
空白を仕立てて
慟哭を隠して
私のせいだと責めて
責めてほしかったのに
口づけを交わして
お別れです
絡めた腕をそっと外して
もう一度代償を払う
けれどもう
気付けないのでしょう
相変わらずの
孤独の中で
一人遊びで蚊帳の外
閉ざしたまま
このサヨナラにさえ
気付かないのでしょう
≪≫
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