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=入口=
記憶
なめらかな水面を称えて波紋が静かに沸き起こる。永続的に繰り返される。

芥子色の空を映す記憶を手繰る
彼女が眠る古木
あれはいつだったろう
淡い色した恋人の死
太い枝に乗った
痩せたメヒョウの様な瞳
垂れた腕
枯れ葉の様に風に舞った
一番にあいしていた
細くて柔らかな
彼女の様な彼女の髪

永続的に繰り返される。
断続しながら永続する。

忘れていたように滴り
なめらかな水面を称えて
静かに沸き起こる

波紋

重力に柔順な。




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