=入口=
花束
リトルハンズ
お前はなんて可愛いの
愛が在るなんて
多層分離された精神意識の奥底でだって
例えば嘘つきが
「嫌い」と云うより明白だとしたって
触れただけじゃ解らない
目を逸らした理由の方が例えば本当かも
リトルハンズ
お前はなんて醜いの
愛が在るなんて
信じ方を誰か教えてくれたとしても
厳重過ぎる防御措置みたいな性格なら
この防御措置の作り方を
一から百まで説明したくなるの
作り笑いが下手なヒトは嫌い
リトルハンズ
お前はなんて……
なんて…そうなんだろうね
言わなくたって
解れだなんて言わないで
そうってどうなのか解らない
愛が在るなんて
溶けた皮膚の下で焦げ付くみたく
どうして体は思いたがるの
どうして心はついていけないの
リトルハンズ
この手が何を求めても
虚空を掴んで抱き締めることさえ叶わない
めをとじたら
あかるくてさむい
涙を流したら
この孤独さえも流れて
置き去りにされそうで恐い
リトルハンズ
名前を呼ばないで
名前を呼ばないで
愛なんか無いなんて叫べない
絶望を受け入れる時からの既視感
矛盾を許容してきた代償と
存在を理解し続けてきた終焉の繰り返し
お前に花束を
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