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=入口=
片足蝶々
綺麗に丸く切った爪に
汚れを無理矢理詰め込んで
無表情にヤスリをかける
見えるものと
見えないものの
境界を探しながら目を閉じる
煙草の煙が
口先で遊んでいる
なかなかに有意義な感嘆詞だ

どれくらい?
愛が幻想のように噛み付いて
腕を回した貴女と跳ね合う
きっと暴発しない限り
そのまま首を絞めても笑ってられた
リアルは、
無意味に弾けた妄想の端屑だろう
宙になにかしらの答えがある
見つめて
焦点を失って
揺らいで
へたりこんで
摩擦して
交換しあって

美しい音楽が響いている
頭の中のような
鼓膜の外のような
某洋とした意思の中で
誰の脳内にもある記憶より鮮明な
貴女の瞼の裏で
不連続を連続に産み変えた過去
手を繋いで

悲しいのかな
悲しいのかな、今も?
理由を求める前に離脱する
貴女以上に
戦慄を求める前に
そう、跳ね合う

それだけを思い出して
無表情にヤスリをかける
境界?
それなら
感嘆詞が勝手に作ってくれる
信じてみても良い

あれは、片足蝶々
バランスを崩しながら
羽を煙にあずけて跳ねる




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あきゅろす。
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