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Good night baby (海堂)
(大学生、二人暮らし)





「んー」

「………」

「あー」

「………」

「むー」

「……早く寝ろ」


二枚ひかれた敷き布団の上、パタパタと足を動かす桃城に我慢の限界か海堂は桃城に向けていた背を反対側に向けた。
それを合図に桃城はケラケラと笑い布団ごと海堂の方に潜り込む。


「お前明日一限からだろ」

「だって寝れねぇんだもん」

「……」


ため息をつきながらも迎え入れ自分の布団もかけてやる。
桃城は嬉しそうに笑い足を絡めるとさらに密着した。


「桃城っ」

「あったけぇじゃん」

「…いらねぇ」

「俺はいる」


この笑みからしてワザとだろう。
明日は自分も桃城も早い。
手を出せないのを知っていてのこの仕打ちだ。


………むかつく。


「あ?ちょ、かい…」

「うるせぇ」


桃城を包んでいた布団を引き寄せ顔を寄せる。
焦って逃げようとするが布団は身体ごと包んでいる為無理だ。


「嘘、嘘です!!」

「聞こえねぇ」

「ごめんなさい、すいません!!」


ふと服の中に入れようとしていた手が止まる。


「……嫌かよ?」


力を弱めて海堂が顔を覗いてきた。


「……っっ。あ、明日早いだろ!?」

「嫌か?」

「も、俺も寝るし」

「桃城」

「…………っっっ。……キ…」

「あ?」

「……キス……してぇ…」

「………」


しばし固まる。
桃城はその沈黙に耐えられなかったらしい。海堂の手を掴んでいない方の腕で顔を隠した。


「…夢じゃなかったのか?」

「……っ」


大抵の場合桃城より海堂の方が早く寝る。それは海堂が規則正しい生活をしているからだが、その時必ず見る夢が海堂にはあった。





『おやすみ』


桃城が額にキスをする。
しかしそれは普段は絶対にないことで、海堂は夢かと虚ろな意識の中手を伸ばし頬を撫でた。
すると桃城は嬉しそうに笑いその手にも口付けると再び顔にキスの雨を降らすのだ。





「…桃城」


腕を外させる。
そこには真っ赤な顔をした桃城がいて、海堂を睨んでいた。


「………しょうがねぇだろ。お前にキスしねぇと落ち着かねぇんだよ」


その言葉に海堂がゆっくりと桃城の頬を撫でる。
桃城は抵抗はしないものの変わらずに睨みつける。
海堂は小さく笑って額に口付けた。


「…明日早いって言ってんだろ?」

「祝福のキスだ。たまには俺からさせろ」


桃城の瞳が見開かれる。
海堂は唇を撫でるとそこへ祝福を送った。





END

Good night baby(君に祝福のキスを)

「おい」

「…あんだよ」

「今度から起きてる時にしろ」

「ぜってーやだ」

「あぁ?」

「お前からしたらしてやる」

「っ////」

(いい夢をなんて生易しいもんじゃない!!)


―――――
祝福のキス(おやすみのチュー)って良い夢をって意味ですよね?あれ?
桃城は海堂が良い夢見れるように毎夜してやってんだよ。んで実は自分がしたいだけで習慣になっちゃってしないと寝れないんだよ。
ってかおやすみのチューって普通頬じゃ…

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あきゅろす。
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