[携帯モード] [URL送信]
呂布・張遼
貴「妖精に間違われた…」
呂「妖精に間違われたな…」
張「神秘的で良いではないですか」
貴「妖精って…ガチで言われると精神的に来ますってあんなの」
呂「しかしあそこまで言われると本当に妖精になったような気分になるな」
貴「断じてならないよ」
呂「心なしか羽が生えたような気分になる」
貴「生えてんの触角だよ」
呂「とにかく貴女とお揃いなら俺は何でもいいぞ」
貴「私は嫌だけど」
呂「お揃いと言えば、張遼、例の物を」
張「呂布殿、それがその…」
呂「早くしろ」
貴「何?」
呂「俺とお揃いがいいのだろう貴女は」
貴「一言も言った覚えないんだけどね、え?まさかその触角みたいのお揃いでくれるとかじゃないよね」
呂「欲しいなら張遼が用意するぞ」
張「ぶふっ。申して下されば」
貴「今笑った?笑ったよね?いらないの分かってるくせに」
呂「張遼、リボンはちゃんとつけたか」
張「呂布殿に言われたとおりブラックリボンを」
貴「ブラックリボン!?普通赤じゃないの!?」
呂「で、どこだ?」
張「クローゼットの入り口に待機させています」
貴「待機って……ん?ぎゃっ!!クローゼットから顔が!馬の顔だけが出てる!」
呂「チッ。せっかくのサプライズが台無しだ。赤兎二号、こっちにこい」
貴「二号!?せき、と…?ちょっ、足がぬかるみかなんか歩いてきたせいかドロッドロじゃねーか!部屋が汚れる!」
張「まぁまぁ、フローリングなのだから」
貴「おいおい!ヨダレ!馬ヨダレ垂れまくってるよ!怖い!病気!?」
張「人間とて、ヨダレくらい出るでしょう」
貴「張遼さんさっきから他人事みたいにさぁ!楽しまないで下さいよ私の悲劇を!」
呂「貴女、それを言うなら喜劇だろう」
貴「間違ってないよ!?確実に悲劇だよ!どの角度から見ても悲劇だよ!」
呂「ほら、赤兎馬、貴女に挨拶しろ」
貴「えっ?えっ?何、なんか可笑くないこの馬、目ぇ血走りすぎじゃない?血管浮き出まくってない?めっちゃ興奮してない?」
張「やはりまずかったか…?
貴「そこ!張遼さん!今聞こえましたよ、ばっちりと」
張「いやぁ、呂布殿に赤兎に近い馬を頼まれていたのですが、全然見つからなかったので」
貴「ので?」
張「そこいらを走ってた暴れ馬を少々」
貴「少々の意味が全く分からないです!」
呂「おっ。何だじゃれているのか赤兎二号」
貴「本格的に暴れ出しましたよ張遼さん!呂布をボッコボコ蹴ってるんですけど!私の部屋まで巻き込まれてる!」
張「ははは。それを物ともしない呂布殿、さすが鬼神ですな」
貴「関心するタイミング!」
呂「これっ…貴女…に…やる、から……受け取れ………ぐふっ」
貴「さすがに死にかけてる!張遼さん関心してないで早く馬をあっちの世界に帰して下さい!」
張「…分かった」



呂「貴女は馬が苦手だったのか」
貴「さっきのを通常時の馬というならどうあがいても好きにはなれないだろ」
呂「まぁ、妹は我が儘なくらいがちょうどいい。なぁ張遼」
張「呂布殿。貴女は赤兎馬が欲しいわけではないと思いますよ」
呂「な、何だと…貴様に貴女の何が分かるというんだ!」
貴「いや、どう考えても贈り物に馬って選択肢出ないでしょ。そっちの世界ならまだしもこんな狭い場所で飼えるとでも思ったの」
呂「俺はよかれと思って…」
張「貴女、ここははっきり申した方がいいのではないか?」
貴「う、うん!そうだよね、有難う張遼さん私言うよ」
張「どうぞどうぞ」
貴「私、はっきり言って迷わ…」
張「貴女は赤兎馬二号を頂くより、呂布殿と赤兎馬三人で散歩出きるだけで最高の贈り物になる、と言ってあげて下さい」
貴「え」
呂「う…うおぉぉー!!そうだったのか貴女ー!すまない、俺は…俺は駄目なお兄ちゃんだったなっ…!そうか、それほどまでに…くっ…」
貴「いや。いやいやいやいや!?えっ!?はっ!?」
呂「今すぐ陳宮に赤兎を用意させるからな、ここで待っていろぉぉー貴女ー!!」


貴「……」
張「……」
貴「張遼さん」
張「では私も行って参ります」
貴「おいコラ髭ぇ!」
張「頭のふわふわを掴まないで頂きたい」
貴「ふわふわ掴むよ!馬鹿!鬼!性悪!楽しいんか。私が苦痛を味わうさまが楽しいんか!」
張「……。兄妹愛、素晴らしいですなぁ」
貴「うぅ…本気なのか冗談なのか分からないです張遼さん」

(090628)

[前←][次→]

あきゅろす。
無料HPエムペ!