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ホウ徳・曹仁
曹「殿に行ってこいと言われたはいいが…家の者が居ないのに勝手に待つのはいいのだろうか」
ホ「それがし、顔も見たことがない婦人の部屋に入るのは初めてだ」
曹「…普通はそうだろう」
ホ「しかし…興味深い物が沢山あるが…うむ…」
曹「触って壊れでもしたらいかん」
ホ「そうなのだが…」
曹「ん?何か鳴っていないか?」
ホ「う、うむ。あの奇妙な形の物からするようだが」
曹「ホウ徳殿、止めて下され」
ホ「それがしがか?しかし今触って壊れでもしたらといっていたろう」
曹「そうなのだが、うるさくてかなわん」
ホ「よし、やってみよう。これを持ち上げてみるか」
曹「おお、鳴り止みましたな。さすが…ん?」
ホ「どうなされた」
曹「今ホウ徳殿が取られたものからもなにやら聞こえますぞ」
ホ「どれ」
電話「もしもし!?俺だよ俺!もしもし?俺俺!」
ホ「!!!!」
曹「何だ?」
ホ「な、何だ!!」
曹「いや、貴公がどうなされた!?」
ホ「す、すまぬ。これから声が…」
電「もしもし!?聞こえてる?」
曹「耳に当ててみればいいのでは」
ホ「こ、こうか!?」
電「あ、俺だよ俺!」
ホ「そ、それがしはホウ徳、隣に居るのは曹仁殿だ」
電「は?放っとく掃除棚?何いってんの?じゃなくて」
ホ「貴公、もしや貴女殿か!?」
曹「ホウ徳殿、声が裏がえっているぞ」
電「え………。そうそう、貴女。あのね、事故に合」
ホ「声が男だ…。それがしはてっきり、貴女殿をご婦人とばかり思っていたのだが」
曹「自分もだ。となると曹操殿も随分趣味の幅が広いのだな」
ホ「男色か…きっと貴女殿は女顔なのだろう」
電「ちょっと聞いてんの!?実は車で事故おこして相手怪我させちゃったんだよね!」
ホ「怪我?」
曹「なに…?」
電「そんでなんやかんやでお金払うことになったんだけど足りないから貸してほしいんだ!今から用意できる?たった300万だからさ!」
ホ「よし、わかった。どうすれば良い」
電「携帯持ってたら番号教えて!今からATMに行ってもらうから、連絡手段に!」
ホ「な、なん、なんと?」
電「だから〜、ケータイ!ないの?」
ホ「そ、曹仁殿。それがしにはさっぱり…」
曹「うむ。自分が」
電「なに?バトンタッチ?あのさ、あんたは携帯ないの?」
曹「貴女殿、携帯とは何だ」
電「え……、そっか、おじいちゃん携帯ないか」
曹「おじい、ちゃん……」
電「じゃあ、今から口座番号教えるから。近くのお金振り込めるとこいってくれない?」
曹「ふりこめるところ…?何をだ」
電「だから金だって。なに、俺の事からかってんの?」
ホ「なにやら怒っておられるな」
曹「そのようだ。すまぬが貴女殿、もう一度初めから説明頼む」
電「…いいけどさ。お金は用意出来るわけ?」
曹「……。剣を売れば…」
電「はぁ…?剣とか何言ってんの?」
ホ「それがしの武具も出そう」
電「その、よくわかんないけど、剣とかそういうのって家宝なんじゃないの」
曹「いや…剣くらい」
電「普通ダメだろ?大切なもんをそうホイホイ売って金にして、俺はダメだと思うそういうの」
曹「……」
電「大事かそうじゃないとか、そういうんじゃないんだよ。その持ち主の歴史を潰すって事だろ?違うか?」
曹「貴女殿の仰るとおりだ…」
ホ「うむ…」



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貴「ただいまー…って何事!?何で泣いてんですか!?えーっと…曹仁さんと、ホウ徳、さん?」
ホ「貴女殿…そなた、お若いのにしっかりして…」
曹「貴方には頭があがらん…」
貴「え?は?いや、私達初対め…」
曹「このような方が曹魏には必要やもしれんな」
ホ「それがし、曹操殿が未来人に好意を抱いていると聞きあきれていたが…そなたにならば、確かに惹かれぬ理由などないであろうな。性別など、関係はないのだ」
曹「確かに。是非魏と同盟を…、いや、共に戦おう」
貴「性別?戦う?いや、本気でよく分からないんですけど…」
曹「それから、一応言わせて頂くが、自分はおじいちゃんと言われるほど老いてはいない」
貴「はあ…(?)」

(090409)

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