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誰がために鐘は鳴る編
期間限定拍手/誰がために鐘は鳴る編(ロバート+カシュキン)





片時も忘れたことのない人の名をここで聞くことになるなんて、思いもよらなかった。



「今日、君の恋人に会った」

自分以外には誰もいない星空の下でロバートは呟いた。硬い岩肌に背を預けて座り、瞳はどこか懐かしいものを見たような穏やかな光をたたえている。

「僕が君の命の灯を消した人間だと分かって、銃を突き付けてきた。……勇敢な娘だ…君によく似ている」

そう言ったきり、ロバートは俯いて目を閉じる。
彼の魂はあの娘の元へ還っているのだから、今ならこの声がきっと届いていると信じながら。

「僕の命はローサのものだ。…君になら、わかるだろう…?」

震える両手を握る。それは徐々に訪れる寒さのせいではなく、彼を最期へと追いやった感触が両の手のひらや指の一本一本に蘇った為だった。

仲間を殺したのだ。この手で。
約束とはいえ引き金をひいた時、狂っているのは今の世界なのか自分なのか、もう判断がつかなかった。

贖うことなど絶対に出来ない。
ならばせめて彼が愛していた人に自分の命を渡そうと、銃を向けるローサを見た瞬間に心を決めた。

しかし、ローサは憎しみや悲しみに囚われたまま仇を討つことより、戦いを一日でも早く終わらせて平和を取り戻すことの方が大事だと、泣き叫びながら分かってくれた。そんな彼女を感謝の意を込めて抱き締めたかったが、自分の手は彼を―カシュキンの命を奪った手。

「…許してもらおうなどとは思っていない。僕は一生背負うつもりだ」

恐らくこの任務で命を落とすだろう。だが自分にはこれが今最も相応しい。

「絶対にやり遂げてみせる。君に守られた、僕の命を懸けて誓う」

カシュキンの姿を思い出しながら言葉を口にした後、ロバートは目を開ける。そこには深く強い力が宿っていた。



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拍手ありがとうございます!

誰がために鐘は鳴る観劇記念の期間限定拍手お礼です。

ロバートの中でカシュキンに対する罪の意識は一生消えないんだろうなあ…!と観ていてぐっと来たのでちょっとやってみました。

更新頑張ります!

またのお越しを心よりお待ちしております。


(2010/12/08〜2011/02/28)


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あきゅろす。
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