10 「何か、綺麗ってゆうより可愛い子だな」 「ああ。性格もかなりの天然入ってる」 柚が台所に行った後、要と香月は茶の間へ行った。 茶の間のドアをあけると、明るい色のログテーブルを囲んでいる茶色のソファーがド真ん中に位置し、2人を出迎える。 そこへ、2人、テーブルを挟んで座る。 要からため息がひとつ零れた。 香月はそのことに気づき、疲れているのかと訊ねた。 「いや。疲れてないよ。ソファーに座ったらいつもこうなんだ。脳が一瞬落ち着くとゆうか‥」 そう言われてみれば、さっきよりも要の表情が穏やかになっているかも。 「そうか」 「そうだよ。香月は心配性だなー」 クスリと笑う要は初めての場所にも緊張の一つも見せなかった。 「部屋にカバン置いてくるから、待ってて」 大丈夫そうに見えたので要を部屋に残して茶の間を出た。そして自室へ向う。 スリッパが床に擦れる音だけ聞きながら。 このあとの不安も想いも考えもしなかった‥ [*前へ][次へ#] [戻る] |