刻印 銀「蓮…準備は良いか?」 「ん…あぁ…頼むぜ、じじぃ…」 そう会話を交わした後、銀嶺は蓮の背中に手を置いた。 銀嶺が呪文のようなものを唱え始めると、手を添えた部分が青く輝きだす。 「うっ…」 座っているのにも関わらず、ふらついてしまう蓮を暁光は優しく支える。 白哉と紅蓮はその光景をただ見ていることしかできなかった。 紅「…蓮様は…大丈夫でしょうか……」 白「…私にもわからぬ………」 紅「…(蓮様……)」 白「だが…」 紅「?」 白「爺様はすごいお方だ…きっと蓮を助けてくださるに違いない…」 紅「…そうですね」 紅蓮は口には出さなかったが、心の中で“ありがとう”と呟いた。 「…くっ…」 銀「大丈夫か?」 「ぅ…あぁ、大丈夫だ………暁光…支えてもらって…すまねェな…」 暁「別にそんな言葉いらねぇんだよ。お前はオレが認めてる主だからな。これくらい当たり前のことだ… …大体オレにそんなこと言ってる暇があったら自分の傷の心配しろ…みんな…お前のことが大事なんだからよ…///」 「ははッ…サンキュー…」 暁光のさりげない優しさに少しドキッとしている自分がいたり。 そんなやり取りをしているうちに、傷は治っていったのだが… 「…!??」 銀「…それが…この術を使った証なのじゃ…」 左胸あたりにチクッと感じた痛み… 見てみるとそこには、うっすらと黒い蝶の模様があった… 黒い蝶の模様……これが… 「これが…刻印…なのか?」 銀「うむ…そうじゃ……そして…」 「?」 銀「……それが漆黒になったとき…それが……… お主の最期じゃ………」 [戻る] |