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別れ/高杉晋助




ガッ…ガッ…キィン!!




刃と刃の交わる音が鳴り響く。






高「チッ…キリがねェな…」


「…そうですね…どうします?…退きますか?」


高「…あァ…お前らだけ退け…」


「えっ、でも…」


ま「晋助様1人、置いていけないっス!!」


高「…お前らがいると思うように動けねぇ…邪魔だ」


ま「でも…」


高「うるせェ。とっとと行け」


ま「…」


「…はい。また子、行くよ…」






数十分後―





「…やっぱ高杉様…強い…」


ま「…そうっスね…」







敵を全滅させた








はずだった…






「…!高杉様!!!」




なんと死んだと思っていた敵の1人が、高杉の後ろから襲ってきたのだ。






思わず動いた体。




気付いたら高杉を庇うように立っていた。





高「!おまっ…白夜!!!」





グサッ






ドサッ




敵が倒れた。





だが…





「がっ…」




ポタポタと血が滴り落ちる。





白夜の体は刀で貫かれていた。






高「白夜!!!」




倒れ込む白夜の体を思わず抱きしめる。




高「(お互いに刺し合うたァ…出血が酷ぇ…貫かれてるとこ…心臓じゃねぇか…?くそっ…)白夜…大丈夫か?」


「!…高杉…様?…あたしはもう…駄目みたいです…高杉様がこんなに側にいるのに…触れられてる感覚が…ない…」


高「(神経が麻痺してるってのか…)…そうか……俺が守られるなんて情けねぇ…」


「ははっ…そんなことないですよ…だって貴方も人間ですから…誰にだってそういうことはあります…」


高「…そうだな……俺でも…人間…か…」


「はい…もちろん…です、よ………あたしは以前、似蔵に…高杉様の光は…ひどく不安定、で…攻撃的で…そして…哀しい色を帯びている…と聞かされました…」


高「…?」


「でも…あたし、にとって…貴方は私の太陽<生きる光>でした…捨てられたあたしを拾い育ててくれた…そんな貴方にいつの間にか惹かれてた…ずっと…大好きです…」


高「!…白夜…俺だってな…お前のこと…ずっとずっと見てきたんだよ…」





すると白夜は微かに笑い、高杉に尋ねた。






「貴方は…あたしが死ぬことを悲しんでくれますか…?」


高「…当たり前ェだろ…今までずっと一緒にいた…そのお前がいなくなったら俺ァどうすりゃ良いってんだ…」


「そんなに思っていてくれた…んですか?……ありがとう…嬉しい……でも…悲しまない、でください…だって…私たちは空を通じて繋っているんですから…」




ふっと優しく微笑み最期に一言。





「また…会える日まで…ずっと見守ってます…」




(別れ)


(冷たくなりゆく二度と動かぬ唇に)


(そっと自分の唇を重ねた…)




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あきゅろす。
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