残酷
ノアの箱舟が現われて数時間後、悲劇は起きた。
う、そ…
箱舟が…消滅した…?
じゃああたしの大切なモノは…ユウは…!
どうして皆あたしを置いて行くの…
……っ…ユウ…
約束したじゃない…
ずっと一緒にいるって…
絶対離さないって…
なのに…どうして…!
『ユウ―――…!』
大粒の涙が白夜の頬を伝う。
それは止まることを知らず地面に大きな跡を残していく。
ねぇ、ユウ…
あたしは今でもずっとユウのこと愛してるよ…
今も昔も一緒にいたい、この気持ちは変わらないの
だから今、会いに行きます
この世界にさようなら
* * *
その数十分後、箱舟が戻ってきた。
喜んでいる仲間の間から真っ先に神田の目に映ったものは
愛する者の息絶えた姿だった。
(残酷)
(俺の大切な人を奪った)
(この世界が大嫌いだ)
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