4月拍手「桜」(捲簾) 『あ、いた』 満開の桜の木の上。そこで我が隊の大将殿はお酒を飲んでいた。 「おう…一緒に飲むか?」 『頂きます』 「即答かよ…俺を探しに来たんじゃねーの?」 『まぁそうですけど…酒ですよ?それに桜』 「桜はオマケか」 『花より酒、です』 本当は「会議があるから大将を連れてこい」と、どっかのお偉いさんに頼まれたのだけど、サボったっていいだろう。 (大した会議ではないし。) 「お前なぁ…」 『でも大将も好きでしょう?』 空いている器に酒を分けて貰い、飲み干して私は言った。 「俺にとっちゃ燃料だからな。花もいいが」 そう言った大将は、近くの枝に軽く手を添えて、酒瓶と、花と、そして最後に私を見た。 「酒、花、女、そーいや揃ってんな」 『あれ?私ですか?』 「実は男でした、とか言うなよ」 『言いませんよ。そーですね、酒、花、捲簾大将。完璧です』 「あ?なんか言ったか?」 『何でもありません』 「桜」 花言葉は心の美しさ 貴方にピッタリですね。 [*前へ][次へ#] |