捕われ縛られ求め合って
・激暗
・鬱文注意
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怖い、恐いっ、こわい!!
夜が怖い、人間が怖い、仲間が怖いっ。
全てが怖い、怖いんだ!!
「アッ、シュ…アッシュ!!」
「アッシュ!!」
「怖い、恐いよぉ!!」
泣き叫んだ。
手に掴める、全ての物を薄暗い部屋の壁に投げつける。
しかし、防音をされたこの部屋には意味が無い。
恐怖が、絶望が競り上がってくる。
「ルーク」
「アッシュ、アッシュぅ!!」
ああ、来てくれた!!
お願いだから早く助けてっ。
この闇から解放して!!
「恐い、怖い、こわい、コワイよぉ助けてアッシュ!!」
「ルーク」
「嫌だ早く来てっ抱き締めて…っっお願い一人にしないでぇ!!」
もう、嫌なんだ!!
一人になる恐怖に怯えるのも、人を殺して一人打ち震えるのも。
アッシュが…アッシュだけが救ってくれるっ。
俺のことを分かってくれるっ。
それと同時に、一つの不安が生まれる。
アッシュが…自分のことを嫌いなんじゃないのだろうか、という不安。
堪らなく不安に駆られ、考えるより早く言葉が口から出る。
「早く、早くぅ!!来てよっ愛してるって言ってっ!!」
「ルーク…愛してる」
「お願いもっと言って!!怖い、怖いのぉ!!」
「ルーク、俺はお前を愛してる。一人になどしない」
「俺もっ…俺も愛してる!!だから一人は嫌っ、一人にしないでっ」
アッシュはその震える体をそっと抱き締める。
可哀想なくらいガタガタと震える肩を優しく擦りながら、口に笑みを形作った。
きっと、ルークは気付いてないのだろう…アッシュの浮かべる狂喜の笑みに。
そもそも、必死に隙間無いくらい抱き着くルークは何処と無く可笑しい。
アッシュ以外が敵に見えて恐怖が迫ってくるのだろう。
にぃ、と口端が釣り上がる。
「ルーク…仲間を、世界を捨てれるか?捨てれないのなら、俺はお前を置いていく」
そんなの、ただの嘘だ。
もしルークが俺を選ばないのなら…殺してでも俺のモノにする。
だが…ルークは俺を選ぶ、絶対的な自信がある。
案の定、ルークは涙を滲ませすがる様に抱き着いてきた。
「あるっあるから…捨てないで!!おれ…あっしゅにすてられたら生きていけないっ」
「あァ良かった…これでお前を殺さなくて済む…。俺も、ルークの居ない世界などで、生きてなどいけない」
あぁ、なんて甘美な。
その言葉一つで、恐怖は幾分か薄れる。
あっしゅ、あっしゅ。
おれの愛しいヒト。
どうかすてないで、おれはおまえがいないと生きていけない。
好き、すき、せかいじゅうの誰よりも。
このこどくにきづいてくれる、ただ一人のヒト。
「んぅ…ふっ、ぁ」
恐怖に染まるその瞳が閉じられた瞬間、キスを送る。拒むなんてことはしない、させない。
お前は俺のレプリカ。
俺無しで生きるなど、許さない。
そして俺達が生きれない世界など、必要ない。
救ってなど、やるものか。
「ふぁ…あっしゅっ、もっとぉちょうだいっ」
「あぁ、存分に可愛がってやるよ…ルーク」
その言葉にニコリと笑う笑みは、とてつもなく可愛い。
今からの、甘いだろう時を浮かべ、恍惚の表情を浮かべてる。
どちらともなく、手を絡ませ口を合わせ、体を擦り合わせる。
そして激しく、淫らに混じり合う。
朝など来ても、誰にも邪魔させない。
既に邪魔な奴等は殺してある。
これで、存分に愛し合えるのだから、そんなこと些細なことだ。
「あっしゅ、おれもう、あっしゅしか要らないっっ」
「っ俺もだ…」
手に入れた。
俺の、愛しい人形___否、人形なんかじゃない。
俺の、俺だけのルーク。
仲間にもヴァンにも神にも、誰にも渡さない。
俺だけの、モノ。
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暗いorz
こうなった経緯は更にスクロール。
読みたい方はどうぞ。
「アッシュ!!偶然だなっ」
「レプリカか…」
「俺、嬉しいな〜アッシュに会えるなんて!!」
町で会う度に、本当に嬉しそうな笑みを浮かべ駆け寄ってくる。
そんな、自分のレプリカに惹かれていた。
今思えばあの時から惹かれていたのかもしれない。
「レプリカ…これを」
「?…何だ、これ」
「良いから飲め。栄養剤みたいなモノだ」
手荷物から、十本程取り出した瓶を渡す。
これで、十分過ぎるだろう。
ルークは余程嬉しいのだろう、目を輝かせる。
くっ、と喉が引き釣るのを抑えるのが大変だ。
「言いか…誰にも言うなよ」
「あぁ!!有り難なっアッシュっ!!」
「ふっ…じゃあな」
それは、二人だけの秘密。
その瓶の中身?
それはもちろん…………
囚われ縛られ求め合って
(手遅れなのは自分?お前?それとも両方?)
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