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声×恋(白石)





時刻にして18時をまわったころ










声×恋










名前は一人家路を歩く

大分日は長くなり、18時といえどもまだまだ明るい
風も吹いているが寒くもなく心地良い

耳にはお気に入りの音楽で気分は上々




昼のことさえなければ











いつもより忙しかった昼の出来事

クラス委員を務める名前は校外授業の準備で昼食どころではなかった
教室と職員室の行ったり来たりを繰り返し、足も脳もパンパンで限界だった

その途中





「私、白石君のことが好きやねんっ」

「うっわ…」





階段を上がる最中、その階段の窓から丁度見える中庭からの声と姿

ツインテールでいかにも自分は可愛いですよーと言っているような女子と


自分の彼氏白石蔵ノ介






「自分も知ってるやろ?俺には…」

「彼女おるんよね?」

「せやったら…分かってるやろ?」





よかった、と息を吐く

完璧な男のことだ
彼女がいるからと言って告白が無くなるわけがない

しかもその彼女が絶世の美人とか頭脳明晰だとかではない普通の女子生徒

だからこそ余計、じゃあ私の方が…という女子が増えたそうな…

優しい彼のことだから曖昧に返事をして勘違いさせてないか
そこも心配ではあったため、直接確認できてちょっとホッとした





「ごめんやけど、君と付き合うことはできん」

「…じゃあ、最後にぎゅってしてよ」

「そういう事は好きな子にしかせえへんから、ごめんな」

「ぁ…」





女子の肩をポンと叩き、そのまま歩きだす白石

顔を真っ赤にさせ、少し涙目な彼女は本気で好きだったのか、と妙に感心


でも、引っかかることが一つ





「私に、ぎゅってしてくれたこと、ない…」






付き合い始めて数カ月

せいぜい手をつなぐまでだった
好きな子にしかしないって…

勝手に見つけて勝手に聞いて勝手に落ち込んで

自業自得というか、踏んだり蹴ったりというか


お陰で昼休みでは仕事が間に合わず放課後も残って仕事をする羽目に









「蔵君とは話しそびれるしなぁ…」





あのあとなんとなく自分だけ気まずくて目が合ってもそらしてしまった

悪いことしたなあと思っても時すでに遅し…

白石はまだ部活中だろうか
終わったとしてももう自分の家まであと少し


溜息が出かかったそのとき、ポケットに入れていたマナーモードのままの携帯電話が震えた

バイブの長さからメールではなく着信らしい





「っ!」





相手はいつもはうれしいはずの彼

出ようかどうか迷ったが、もやもやしたまま終わりたくない

通話ボタンを押し携帯を耳に当てる






「もしもし」

[あ、名前?]

「うん。どうしたん?」

[名前こそどうしてん…]

「あの、な…」

[ゆっくりでええよ]






ああ、こんな時も優しい
目をそらしてムカついたって怒ったって良いはずなのに…

一人で落ち込んでいる自分が醜い…






「お昼、中庭におる蔵君、見てしまって…」

[あ、ぁ…あれか…]

「それで、話まで…聞いてしまって」

[!…そう、やったんか]

「それで、気まずくて…蔵君と話しづらくて」

[…話すん、辛かったやろ?ありがとうな]






あぁ、どこまで優しいんだこの人は

言葉を掛けられるたび胸のあたりがきゅーっと締め付けられる

電話だけでこの破壊力
きっと今会ったら、それどころでは済まないかもしれない…

自分ばっかり好きなのではないかと気持ちが焦る





「こ、こっちこそ…盗み聞きして、ごめんな」

[…そうか、聞いてしまったんやな]

「う、ん…」

[ほな、そこでじっとしててや?]

「え?……っ!?」


「寂しい思いさせて、ごめんな」





後ろから腰に手を回される
誰かと思えば、たった今電話の向こうで聞こえた声

携帯電話と反対の耳から直接聞こえた声





「く、ら…君」

「俺ばっかり好きなんちゃうかって、思ってて」

「え…」

「名前に嫌われたなかったんやけど、やっぱ止められへんかった」

「っ……」

「嫌やったら、嫌やって言うてな」

「……嫌、なわけないやん…」

「名前…」

「…すき」





自分と同じ思いなのがうれしくて

愛されているのだと気がつけた

電話越しで聞く声よりも

直接聞く声の方が

優しくてあたたかくて

大好きでした












END















〜反省〜
ほらー←
こういうことになる←

白石連載するとか良いながら結果白石短編ですよw(蹴
まあ、こういうの書きたかったのでよしとしましょうよ←ぇ

電話してて後ろからっていうのがもうね、良いのよ。誰
そんなん白石にされたらたまったもんじゃないでしょうよコノヤロー(ぇ

タイトルはもうシラネ
タイトルなんてサイト開設当初からシラネ(蹴

そういうこと。

次は赤也ちゃん連載したいな←ヲイ
白石連載はどん詰まっておりますぞ。
もうさ、どうにかしてよもう…


名前様
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪


2012/05/10(THU)




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