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おそろい(幸村)





カシャンと名前の手から落ちたシャーペン










おそろい










拾おうかとしたその刹那






「次の問題、幸村」

「はい」





椅子を引き立ち上がる全席の幸村精市

その椅子の下で鈍くバキッと音がした


まさか…


音の先を見ると真っ二つに割れた自分の、しかもちょっとお気に入りのシャーペン






「あ…」






前後左右位にしか聞こえないくらいに出た声

それに気がついたのは隣の席の石井君とやはり幸村だけであった





「正解、座って良いぞ」

「あ、はい…」






遠慮気味に席に着く幸村

そして足元にあった無惨なシャーペンを拾い上げ、さらに遠慮気味に名前に差し出す


あぁ、可哀想な私のシャーペン…とて思ったが相手は天下のテニス部部長


『私のシャーペンどうしてくれるの!!』


…だなんて口が裂けても言えない

バックにいるファンクラブが恐い恐い






「あの、苗字さん?」

「!!あ、ありがと」

「いや、ごめん…シャーペン壊しちゃって」

「いいのいいの、気にしないで…」






授業中だしと言葉を加えると渋々前を向いた幸村


しかし手元に残ったシャーペンには哀愁すら漂う

まあしょうがないかと筆箱にしまい、別のペンを取り出す







「じゃあ問4を、苗字」

「え、はい…」






名前も言った通り、今は授業中

先程幸村が当たったのだから次当たるのは必然的
しかしシャーペンの事が気掛かりで問題など解いていなかった


えっと、とやきもきしていると前方から飛ばされた付箋

そこにはまあ大層綺麗な字で問4の答えと思われる文字が並べられており
名前は書いてある通り言葉を発する






「正解だ、座って良いぞ」

「はい」






座ったと共にタイミング良く鳴る授業終了のチャイム

起立、礼をしてバラバラと動き出すクラスメイト






「ありがとね、幸村くん」

「いや、さっき悪いことしちゃったし」

「気にしないでって言ったのに…」

「そんなわけには行かないよ。いつもあのシャーペン使ってただろ?」

「!!」






確かに毎日使っていたが、まさか知っていたとは


何も言わず頷けばまた困った顔

その顔すら凛としていて、男性に使う言葉かわからないが美しい






「何か、弁償出来ないかな?」

「そんなそんな!さっきの答えだけで充分!」

「や、俺がそうしたいんだ…」

「でも…」






そんなこと恐れ多い

脳裏にちらつく幸村のファンクラブ
フルフルっと頭を降るとじっと見つめてくる全席の彼





「そっか、残念だな」






と言われた後日

名前の机の上に壊れたシャーペンと同じものが
さらにその色違いが彼の手にあったことは恐らく彼と名前しか知らないだろう












END















〜反省〜
HAPPY BIRTHDAY!
TO SACHIKO NAGAI!!

というわけで2012年の永井幸子様誕生日記念小説です。
おめでとう!
ありがとう←

生まれてきてくれて日々感謝です…。
もう大好きすぎてどうしよう。

管理人は幸せです。
生きていられるって素敵ですね。

今日実感しました。
色々あって管理人疲れたのでこの辺で←

永井様、愛してますww


改めまして本日は永井幸子様のお誕生日です!
おめでとうございます☆


名前様
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪


2012/04/08(SUN)




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