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風香る、恋運ぶ(丸井)



「…ZZZ」










風香る、恋運ぶ










金木犀が香る風が、教室内に入り込む
その風に撫でられながらも、机に突っ伏して眠る人物がいる






「苗字!」

「…ZZZ」






彼女は苗字名前
学年一、もしかしたら学校一の居眠り王である






「……丸井、起こせ」

「…うぃーっす」





そんな彼女の隣に座る彼、丸井ブン太はもう何度名前を起こしただろうか






「おーい、苗字ー?」

「んー……ZZZ」

「……」





話しかけただけでは起きないことぐらい百も承知

そこで丸井はペンを持っていた右手を構え、額めがけて…






≪ゴッ!!≫



「☆※△…イッタぁー!!」





クリーンヒット





「おはよーございまーす」

「おはよーじゃないわよ…前より威力増してない!?」

「毎日やってあげてんだよ。コツ掴めたっつんだ」





先ほども言った通り、名前は相当な居眠り王
毎日のように眠り、毎日のようにデコピンを食らわせたら、コツぐらいつかめるようにもなる





「名前、お前寝すぎだぞ…先生の授業まともに聞いたことあるか?」

「えーと…いち、に…」

「…もういい(涙)さっさとノート取れ」

「はーい」




そんなキャラクターだから名前は誰にでも好かれていた

それは友達として…


そして、恋をする者としても…






「もう寝んじゃねぇぞ?」

「えー…無理」

「無理、じゃねぇだろぃ」





丸井も実はそのうちの一人で…
席替えをしたときは叫びそうになったほど喜んだとか…

しかし、なかなか素直になれないため、少し突っかかったような口調になってしまう…





「ねぇ、丸井…」

「ん?」

「景色…綺麗だね」

「そうだな」





校庭の草木が様々な色に染まり、それはとてもきれいなグラデーションを彩っていた

丸井はその中で、あるものに目がいった

そのあるものとは





「金木犀って、分かるか?」

「うん。この香りがそうでしょう?」





風と共に入ってくる香りの元、金木犀





「そ。俺好きなんだよなー…金木犀」

「へぇー…なんで?」

「なんで…か。…なんでだろうな」

「なにそれ」

「この匂いかもな…」





この金木犀特有の香りは、人により好き嫌いが分かれる
どうやら丸井は好きにはいるようだ





「だったら私にも好きな香りあるよ」

「どんなんだ?」



「丸井が噛んでるガムのグリーンアップルの香り」



「!?」





ふくらましていたガムは、ぷすっと空気が抜けてしぼんだ





「寝てると落ち着くんだよね」

「そ、そうかよ」





まさかの発言で、思わずどもってしまう


そんな会話をしていると、授業の終了を示すチャイムが鳴った

チャンスは今だと思った丸井は、息を整え意を決する…





「あのよ…」




が…





「………ZZZ」

「寝てんじゃねぇよ!!」




≪ゴッ!!!≫




思わずかます、今までで一番威力の強いデコピン





「いぃっったぁぁぁぁあああ!!!!何すんのよ!!」




お前が好きなんだよバーカ!!






顔を真っ赤に染め、怒鳴るように言い放つ

名前は額を押さえながら固まる


次第に真っ赤に染まる名前の顔は、一体何を示すのか・・・




秋の香りは恋を運ぶ


2人の行方は、どうなるのやら………












END















〜反省〜
さぁ、お久しぶりな気がするブン太です。
秋をイメージした作品です・・・
管理人の好きな、金木犀を使ったお話です。

最近管理人『が…』をよく使う…
うん。多分好きなんだと思う←ぇ

ブンちゃんが堂々と告白しちゃいました☆(蹴
今回のポイントはデコピンと金木犀です←デコピン…?
まあ、ブンちゃんは居眠り野郎に好かれると…←


やはり最近ジュンジュンが半端なく好きだw(蹴
ああー…ジュンジュン…


さて、←
本日は赤澤吉朗、日吉若そして早乙女晴美を演じられた岩崎征実さんのお誕生日です!
おめでとうございます!


名前様
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪


2009/10/25(SUN)




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