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ヒイラギ





一人どうも浮足立っている男がいた










ヒイラギ










それがなんと財前光だと言うのだから驚きだ

最近どうやら彼女が出来たらしいが、それが周りにばれ出したと思ったら
どうもこの男の態度や取り囲む雰囲気がガラッと変わった

もともと隠すつもりもなかったのか堂々としているし
むしろかなりのろけを聞かされてうんざりするくらい

そして今日はいつにもましてそのオーラがすごい





「…財前」

「あ部長、なんスか」

「いや、部長お前やんか」

「そうっした。幸せボケっすかね」

「(せやろな)…えらいご機嫌やな」

「そりゃあ白石さん、今日は…ねぇ」

「(うわ、財前がニコニコしとるぞ。記念に写メりたい…!)」





元部長白石もどうも彼を取り巻く空気にまだ慣れないのか
でもそれが嬉しいのか可笑しいのか

少し前の財前ではありえないにっこり笑顔に顔をひきつらせながらも後で話のネタにしてやろうと
入念に頭に財前の頬笑み顔をインプットする

以前はオリンピックカラーのだったピアスも
一つだけデザインが女物と思われるものに変わっていた

白石が小耳に挟んだ(財前が言いふらしていたのが聞こえた)情報によると
その付き合いだした可愛くて可愛くて仕方が無い彼女とおそろいなのだとか


とか言いながら実はテニス部の誰一人とその財前の彼女が誰だか、顔も名前も知らない
謙也あたりは全部作り話じゃないかと疑ってかかっていたが

もしそうであれば財前はかなり痛い。

そうでない事を信じている白石は今までそれとなくかわされてきた彼女の特定には行ってみようではないかと試みる






「おー、クリスマスやもんな」

「そうなんスよー。白石さんはやっぱクリぼっちですか?」

「(やっぱてなんやねん)生憎な、羨ましいわお前が」

「まあ、そうでしょうね」

「(、ハラ立つ)えぇなあ。可愛い彼女おって」

「え、何で可愛いて知ってんスか!?」

「(認めんのかい)いや、俺らん中でもっぱらの噂やで?」





一か八かの鎌かけ

さっきも言ったが彼女の姿など一度も見た事が無ければまず名前すら知らない
それで謙也の言うとおり嘘だったら、もう白石は泣きそうである

ちらりと横目で財前を見る白石
財前は俯いて額に手を添えた

はあ、と緩く深く溜息をつくとしゃーないっすわ、と携帯を取り出した財前
これまたかわいらしいハートの半欠けストラップ
言われなくてもこれが彼女とのおそろいだと分かった

器用にスマートフォンを操りその画面を見ては
にやりというかへにゃりと笑う





「知ってもうたんなら見せなアカンっすわ」

「(キターー)何をや?」

「この名前の可愛さったら本間犯罪級っスよね」

「(出たな本性)…って、コレ」

「あーもう、何でこんな可愛いんスかね」

「(…嘘やん、小春んクラスの苗字さんやんけ)お、おう」





見せられたのは一度入った事のある財前の部屋でにっこりと笑って見せる同級生の顔
今の小春のクラスいる彼女は1年の時だったか白石も同じクラスになったことがあった

人当たりも良く大阪特有の大口開けて大爆笑するタイプの女子でも、ガチャガチャと化粧やネイルをしているタイプの女子でもない
清楚で真面目で、ピアスなんて怖くて開けられません
とでも言いそうないどちらかと言えば優秀性の部類に入る人

何処でどう知り合ったのか全く分からぬまま、ただその事実に直面し固まるしかなかった

目の前では財前が延々とのろけ話をぶっこいているが
正直そんなの右から左に全部流されている

まあ、財前も気づいていないので良いとしよう






「あ、7組そろそろ終わりますよね」

「(…はっ)あ、あ…そうちゃうか」

「ほな、ばれてたならしゃーないんで正面突入しますわ」

「おう…は?」

「白石さんも、ぼっち卒業できると良いっスね」

「(シバいたろか)はよ行けリア充」

「ひがみはダサいっスわ」

「(…俺が本気出したら、エグいで)はいはい」





上機嫌なままどうやら名前のクラスへ向かったそうな
正面突入とは、まあSHRだろうと関係なくさらって行くのだろう

ここまで変わった財前が、やはり寂しい様な可笑しい様な面白い様な

クリスマスがここまで鬱陶しいと思ってもいなかったが
誰かと過ごせるクリスマスも欲しくなった白石であった


ちなみにその翌日には見せつけるかのように手を繋いで登校する二人の姿に
謙也はあんぐり、白石はもう呆れの境地に立ったそうな












END















〜反省〜
さて、2012年のChristmas記念小説です。
なんとか間に合ったか。
てかお久しぶりになってしまった(汗

そして、財前夢のはずがまさかの白石視点w
そしてそして彼女一度も出てないというクリスマスになってしもたw←

まあ、影でこんなに財前がのろけてるんだよーって視点で
見てやってくださいな(ジャンピング土下座

…だって管理人もぼっちなんだもーん(涙
白石、管理人を救って。←
ぼっちどうし仲良くしようや←

…寂しいなあ。
管理人のお家は管理人が小学生に上がったとたんサンタさんはいなくなりましたw
えぇ。夢のない家族でしょうよw

まあ、その分夢を皆さんに届けますよ☆←

さてさて、昨日は越前リョーマ君のお誕生日でした!
おめでとう☆


名前様
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪


2012/12/25(TUE)




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