[携帯モード] [URL送信]
Maybe





所謂呼び出しと言うやつか










Maybe










少し派手な人達に呼ばれ、言いがかりをつけられ罵倒
そして無造作に伸びた爪で頬を引っ掻かれた

痛い、痛い…

そんなことをされる覚えなどない


テニス部と仲良くしただ?
テニス部は皆の物だ?

だからなんだ
仁王と隣の席で何が悪い
丸井とケーキバイキング行く仲の何が悪い





「 苗字さん何か言ったらどうなのぉ」

「怖くて何も言えないんじゃなぁい?」

「何それダッサー」





キャハハと下品に笑う女共

怖くてじゃない
呆れて何も言えない
この会話のどこに笑うポイントがあったのか


あからさまに面倒臭い顔をするとわなわなと震える女共

言いたいことがあるなら一対一で言えよ
どうしてこうも群れるのが好きなのか


これだから女は苦手だ




「言いたいこと、それだけ?」

「はあ?」

「何それ」

「私貴女達ほど暇じゃないんで」

「、ざけんなよ!!」





振りかざされたリーダーらしき女の腕


あーあー
大きめの指輪がしてある
ただ腫れるだけでは済まなそうだ


平手は左頬にクリーンヒット
思わず涙が出そうになるほど痛い

意外と力あるなこの人
よろけた隙を見計らって伸びてきたお世辞にも細いとは言えない脚


思いっきり腹部にヒット
これはかなりダメージが大きい


よろけてそのまま床に尻餅ついた





「っく…」

「やだー、ごめんなさーい当たっちゃったー」

「、満足…しましたか」

「っするわけねーじゃん」

「このまま消えろよ」


「誰が消えるんじゃ」






いくら言っても納まらない女の怒り
それ以前に自分ももう限界がきている

なるべく穏便に済ませたかったが
そうもいきそうにない


反抗でもしてやろうかとギッと睨む


その時に聞こえた飄々とした声

聞き覚えのある、聞き慣れた声


いつもと違うのは
その声の主の表情が氷のように冷たく刃のように鋭かった






「仁王、」

「あ、の…これは…」

「質問に答えろ。誰が消えるんじゃ」

「そ、れは…」

「答えられんなら俺が言ってやろうか」

「っ、」


「俺と、 名前の前から…消えろ」






自分は知っていた
彼の機嫌が良いときは訳分からない言葉を使うのを

自分は知っていた
彼が寂しいとき、襟足を指先でくるくると触るのを

自分は知っていた
彼の機嫌が悪いときは声のトーンが低くなることを

自分は知っていた
彼が怒り狂うとき、訛りが抜け標準語になることを


だから彼は、この女共に怒り狂っているのだ


何故?
…それも知っていた


自分で言うのも何だが彼は私に好意がある
何度かアタックを受けたこともある


怖じ気づいて逃げていった女共
怖がってるのはそっちじゃないか







「 名前っ、 腫れとる…」

「仁王、大丈夫だよ」

「でもっ、守れんかった…」

「悪いのはあっち」

「なんで、そうも 名前は淡々としとるんじゃ」

「私悪いことしてないし」

「だから余計、じゃ…」






腫れているであろう頬を優しく親指の腹でなぞる仁王

なんともそれがくすぐったい


涙目の彼
くるくると結わえてある襟足の先を触る


先程の威勢は何処へやら

ニッと笑ってみるとぐわっと全体重をかけて抱き締められた
ゆるーく裾を握られる

なんか可愛いな…





「好き、」

「!仁王…」

「お前さんがおらんと俺は…」

「…ごめんね」

「!っ」

「あ、えと…そのごめんじゃなくて」





わしゃわしゃと頭を撫でてみるとわわっとビックリした様子の仁王

自分から抱き着いたくせに…


とか思ったがその仁王の顔は真っ赤で
でも今の一言で泣きそうになってて


言いたかったのは、そのごめんではない






「私、人に自分のこと言うの、苦手で」

「…知っとる」

「なんでも、我慢しちゃうし…」

「…知っとる」

「でも…どっかで仁王が助けてくれるって、期待してた」

「! …名前 」

「多分さ、好きなんだ…仁王が」






我慢しちゃう自分だけど

自分のこと話すの苦手だけど

仁王には、頼りたいって思った


今日も助けてくれた
きっとそれは恋で、愛なんだ


多分ってなんじゃ、って困った顔する仁王も

でも嬉しそうにピヨって呟く仁王も

愛おしかった


こうなれば仁王に頼りきってやれ


痛む頬と腹部
わざとらしく訴え手当てでもしてもらおう


こんな私は、ズルい人間だろうか…


でも、多分好きだからしょうがないでしょう












END
















〜反省〜
2012年の仁王雅治誕生日記念小説です。
をめー。

仁王さんですええ。
こんなん書きたいなぁと少し前から思ってました。
そしてできたこれ。
なんでしょう…
そんな感じですよ←

あー、おなかすいた。←
もう明日で4周年ですよ。
明日も更新する予定ですよ。
明後日も更新する予定ですよ。
あくまでも予定ですよ←

あー、仁王ちゃんの誕生日だというのに
書くことないな。

過疎化させるか。

改めまして本日は仁王雅治くんの誕生日でした
おめでとうございます☆


名前様
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪


2012/12/04(TUE)




第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!