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七色グラフ





雨が上がり空に架けるは七色の橋










七色グラフ










先ほどまで雨が降っていた事を想わせない晴天で
しかしながらやはり秋の訪れを感じるのはその空気、風はカラッと心地が良い


現在4限目が終わり、昼休みに入る所
お弁当を片手にそれぞれが散っていく

いつもと変わらぬ風景

ただいつもと違うのは、自分のクラスの前の廊下がやけに賑やかな事くらいだろうか






「…廊下で何かやってるの?」

「あー、今日あれだわ」

「?」

「宍戸君の誕生日じゃん」

「…そうなんだ」

「知らなかったんだ」

「え、普通知らないでしょ」






いつも昼食を一緒にする友人との会話
名前は今日の催し物…
である宍戸の誕生日を知らなかったらしい

まあ、普通の学校ならば知らない方が当たり前なのだが
ここの学校は何かと異常
特にテニス部のレギュラーに関して言えば群を抜いておかしなことがよく起こる


まあ自分には関係ないやと特に気にしていないご様子の名前は黙々と母の作ったお弁当をつつく

それをまあいつもの事かと見守りながら朝コンビニで買ってきたパンにかぶりつく友人


これもまたいつもの事







「でも宍戸君教室にいないよね」

「どっかに逃げ込んでんじゃないの?」

「そんなに魅力的なもんなのかねぇ」

「さーね。陸上部とかサッカー部にも良い人いっぱいいるのにね」

「そうそう」





テニス部より陸上部やサッカー部
そちらの話に花が咲く

お弁当を食べ終わる頃にはその話も何処へやら
今日の放課後遊びに行こうよとイマドキの女の子の話

お弁当箱を片づけ、また女子トークに花を咲かせようとした時、おもむろに担任が教室へやってきた


そして名前と目があってしまった





「よーし、目があったから苗字ー、コレちょっと理科準備室まで頼んだ」

「え…、はい」

「よろしくなー」

「ちょっと名前お人よし過ぎ」

「うーん。断りにくいし」

「手伝おっか?」

「ううん大丈夫、いってきまーす」





分厚めの資料を両手に持ち目的地である理科準備室を目指す

自分の教室から理科準備室はまあまあの距離があり
すれ違うたび友達に手伝おうかと言われてきたがそれを断り、一人でいそいそと資料を運ぶ

理科準備室に着いたころには昼休みものこり5分

両手がふさがったまま行儀は悪いが足で理科準備室のドアを開ける
勢いよすぎたのかガタンと大きな音を立ててドアがスライドしていく


ドアの真向かい
外を見つめる後ろ姿がバッと目に映る

ドアの音でびくりと反応し振り返ると目があった





「!宍戸君」

「…おう。どうした?」

「あ、先生に頼まれて、資料届けに来たの」

「お前本当お人よしだな」

「そうかな」






真向かいにいたのは先ほど少し話題になっていた宍戸

驚いた表情で、しかしどこかホッとしたような表情で名前を見ている

おう、と手短に返事をするとまた先ほどと同じように窓の外へと視線を向けた

それを不思議に思った名前は宍戸の隣に並び同じように窓の外を眺める






「わっ、虹だ」

「たまたま見つけたんだよ」

「そっかー。綺麗に架かってるね」

「おう」

「あ、お誕生日おめでとう」

「!?」

「友達が言ってたの思いだした」

「お、う…ありがとよ」





そういえばあまり会話をした事が無かったなとそれから話題は膨らまず
耐えきれなくなった名前がもういくね、とその場を立ち去ろうとした


おう、と返事が返ってくる

かと思いきや、去り際の名前の腕を宍戸がつかむ


バチッと目が合い、時間が一瞬止まる


まだ行くな


宍戸の言葉がウワッと吹いてきた風にさらわれる
条件反射で頷いてしまった名前は先ほどいた位置へ戻る


七色の橋はまだ綺麗に架かっており、それはまるで二人を囲うような
遮るもの一つない綺麗な放物線


初めて共有した、初めての一日












END















〜反省〜
うーわ。
さ、2012年の宍戸亮君の誕生日記念小説です。

が、しかーし。
もうわかんね。
やっぱりね、最初は割と出来るんですよ。
途中から見失うんですよ。

あーもう、ちゃんと締まる小説の書き方だれかおせーて。


そして管理人本日非常に萎えた。
以前どこかの反省で管理人が個人的に好きなグループのチケットが当たったと言いましたが
台風の影響で中止になりました。
えぇ、検索すればすぐにグループ名わかりますよ。
スタジアムなんですもん。

あーあー。
ついてない。
もう、さよならは言わずにぐっばいですよ。


さて、本日は氷帝の宍戸亮君と六角の黒羽春風君のお誕生日でした。
おめでとうございます☆


名前様
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪


2012/09/29(SAT)




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