ファウンテン
こういうときに、一年遅く生まれたかったと後悔する
ファウンテン
今日は月に一度ある委員会
3年2組の放送委員である忍足謙也はいつものごとく自分の指定席へ座る
そこはある人物を観察できる絶好の場所
丁度彼の右前方
彼より幾分小柄な女子生徒がちょこんと座った
彼女は2年7組の放送委員苗字名前
後輩である財前光と同じクラスであり、彼を訪れた際に彼女を発見し、一目で恋に堕ちた
毎月の委員会は来月の放送当番を決めるという事
ちなみに今まで仕組まれたかのように彼女と一度も当番を一緒にした事はない
決めるのはアナログにくじ
「はい次ー、忍足ー」
「へいへーい」
「もっとちゃんとした返事せぇ」
「んとー、11日」
「無視すな。11日な」
謙也が開いたくじには11日と書かれてある
たまに2日分書かれている人もいるとか
11日にはまだ誰も当たっておらず、謙也がいるからと放送委員になった同学年の女子たちが
影で我こそ11日に、と盛り上がっている
しかしそんな女子たち虚しく、3年生は全員バラバラに離れた
そしてそれを誰より安堵しているのが謙也であった
3年の1組から引いているこのくじ
2年7組まではまだ安心できない
今回こそ、彼女と一緒の日に…
「じゃあ2年は8組からー」
「！(ナイスや先生)」
「…25日なー。次ー苗字ー」
「はいはーい」
「お前もちゃんとした返事せぇ」
「えへへっ、はいどうぞ」
「(そんな姿もかわええなぁ…)」
名前の口から発せられぬまま先生の手元へ行ったくじ
何日や、一体…
一人だけ緊張が走る
もう先生と自分のドキドキする音しか聞こえぬほどの集中力
「んとー…4日」
「っ、(今月も終わった…)」
「と11日」
「！？って、え…」
「なんや忍足ー。あ、お前と一緒か」
「あ、謙也先輩。よろしくお願いしますね」
「お…おう」
キタ、俺の青春キタ…
と一人有頂天な謙也
それに気がつくはずもなくその流れで謙也の隣に座ってみる名前
バチッと目が合い、ふにゃっと笑顔を作られた時には
心臓なんかもう本当に止まる勢い
「そういえば初めてですね、謙也先輩と一緒の当番って」
「せやねん。いっつも白石と声聞いてんで」
「えぇー、私も謙也先輩の声聞いてますよー」
「っ本間か？」
「はい。財前と」
「…え？」
今何と言った…？
『ザイゼント』
…ざいぜんと
財前と…！？
「って、はっ？財前と！？」
「！びっくり…はい」
「なななななん、え…え？」
「お、落ち着いて…謙也先輩」
「あ、あぁ…」
とはいえ落ち着けないのが現状
とりあえずゆっくり深呼吸
取り乱しそうな心を何とか落ち着かせる
何ともかっこ悪い所を見られてしまったが、そこをかまっている余裕すらない
「財前色々謙也先輩の事教えてくれるんですよ」
「…財前が？」
「はいっ」
「なんや嫌な予感する気がするんは、俺だけやろか」
「？あ、でも謙也先輩の好きな人の特徴とか教えてもらいました」
「…(あんのアホッ)どう、思った？」
「え？んーと…うらやましいです、その人が」
ちょっと寂しそうにうつむいた名前は、謙也からしたら破壊的に可愛く見えるもので
自分を映す瞳
透き通った声
つややかな髪
細く綺麗な脚
すべて全て愛おしい
今すぐ抱きしめたいこの手を何とか抑えて、彼女を見つめる
「うら、やま…しい？」
「同じクラスに、謙也先輩の想い人がいるって思ったら、悔しくって」
「！！」
「なんで一年早く生まれなかったのかなーって、思っちゃって」
「っ、名前？」
「！っはい」
「それ、な…」
お前やねんで
もう抑えられなかった
キツくアツく抱きしめる
もう離せない
ＥＮＤ
〜反省〜
なんか最後締まりませんでしたね。
はい、謙也君です。
謙也君の片思いにするつもりが気がつけばこんな結果に…
でもまあまあこれは満足しました。
そうなんですよ！←
9/12までに100タイトル行かぬ事にはこの先が更新しづらいということに気がつきましてね、えぇ。
急ピッチで更新していかねばならんと言う事ですよ。
ちなみにこれが98作目です。
あ、赤也ちゃん連載するつもりが…
…しますよ(汗
考えてますから…
もうしばらくお待ちくださいな…
もう白石連載とかどうなってんだか…汗
…がんばります。
9月に入ってちょっと落ち着くので…
管理人は9/11、12に一旦死にます。
まあ精市様DVDがあるので完全には死にませんが←
もっと更新しろーとか鬼みたいな事言わないでくらさいな…
かっつかつです、管理人。
名前様
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
2012/09/02(SUN)
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