FAINTLY(丸井)
「なーあー!構ってー」
FAINTLY
「んー、後でねー」
「えー…やだ」
ある秋の日、日曜の昼下がり
丸井ブン太は彼女である苗字名前の部屋にいる
「こっちは勉強してんのー!」
「ちょっとぐらいイイだろぃ?」
「だーめ」
元々勉強会をしていたのだが、丸井がそう長続きするわけもなく、やっていた問題集に落書きを始めていた
「じゃあ保健の勉強しよ!」
「アンタねぇ・・・どっかの新撰組局長近藤勇の最期をここで再現してやろうか!?あ゙ぁ?」
「っ・・・え、遠慮しまーす」
このやりとりの間も名前はひたすら勉強を続け、丸井はいつの間にかベッドの上に寝転がっている
「テストだってなんとかなるし?・・・あ、名前の匂いする」
「(なんとかなってねーんだよ)変態」
「酷っ!」
「正論」
名前は部活動を何もやっていなく、成績がずば抜けて良いわけでもないので、せめてテストではいい点を取りたいのだ
「なーんでそんなに頑張んの?」
「だってー・・・」
「中学卒業できたら高校行けんじゃん?」
「もしもの事があるでしょ」
丸井にはテニスという強い味方がいるから良いが名前にはそれがない
「・・・そんだけ?」
「そんだけ?って…?」
「他に理由あるだろぃ?」
丸井は疑り深く名前に詰め寄った
「理由…ね」
「何?言ってみろよぃ」
「………」
「俺には言えないこと?…っ!まさかまた誰かにいじめられた!?」
丸井はガバッと体を起こした
「ううん。そんなんじゃないよ…」
「よかった…じゃあ何?」
少し間を空けた後、心地よい風が通る部屋の中呟いた
「・・・でしょ…?」
「え?何って?」
「もし、進学できなかったらブン太と離ればなれになっちゃうでしょ?それが嫌なの…」
「名前…」
名前の言葉は丸井にとって意外だったようだ
「…らしくないよね。ごめん、忘れて…っ!!」
温かくなった背中、お腹辺りにまわされる腕、うなじにかかる髪の毛、ほのかにするグリーンアップルの香り・・・
「可愛い過ぎんだろ…んな事考えてるなんてよ」
「ブン太・・・」
丸井はキツくキツく抱きしめた
“離さない”という意味を込めて・・・
「俺も、名前と離ればなれは嫌…」
「うん…」
「考えた事無かったな…」
丸井は“ハハッ”と苦笑いし名前の肩に頭をうずめた
「だよね・・・」
「一緒にいるのが当たり前って思ってたからな…」
「ブン太…」
「よーし!じゃあ名前の為に俺も勉強する」
そう言いながらも丸井はまだ名前の背中にくっついている
「うん!」
「離ればなれなんて絶対嫌だからな。まぁ俺の為でもあるけど」
ニカッと笑った顔がやけに眩しい
「ありがと…じゃあ勉強しよ」
「勉強・・・ね」
「…?どうしたの?」
「やっぱり…保健の勉強からしよ?」
「……誰がするかっ!!首切り落として生首さらすぞ!!(軽々しい…)」
「うっ…それは勘弁してくださいっ!!」
本日も元気な二人である・・・
END
〜反省〜
さて、丸井さんです。
管理人のお友達の為に書かせていただきました。
気に入っていただけると光栄です★
ところで、作中に出てきたどっかの新撰組局長とは、実在した人物のことであり
決して某○魂のキャラクターではないので悪しからず・・・
この題名ですが、単語で『ほのぼの』という意味になります。
まぁ、この作品がほのぼのチックに…
と思ってつけました。
そんな感じです。
名前様
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪
2009/03/20(FRI)
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