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友達
でも断られたらすごいショックだな…
でもここで言わなかったら
絶対に後悔すると思う

だから…

だから!

思いきって告白しよう!

「あ、あのっ、せ…がわさん」

「ん?」

「俺…せっ、瀬川さんと…」

「……?」

ど、どうしよう…今頃になって
とてつもなく緊張してきた…
心臓もバクバクしてきてうるさい。

「俺…俺っ…」

「………」

駄目だ、
言葉が出てこない
早く言わないと、瀬川さんが飽きちゃってどっかに行っちゃうかもしれない
でも、何を言っていいのか解らず言葉が詰まってしまった。
そんな俺に痺れを切らしたのか瀬川さんが俺の方に手を振りかざしてきた。

ヤバイ!

本気でそう思った

俺から話を切り出したのに勝手に黙ってしまって…
そんなの怒るに決まってる。

殴られても仕方がないよな。
いや、でもさっきは殴らないって言ってくれたんだ。
けど、実際にこういう状況で手を振りかざされると最悪な場合が自然に頭に浮かんでしまう。


だから俺は、反射的に精一杯に歯を食い縛って目をつぶった。

そしたら…

「……っ!?」

びっ、びっくりしたぁ
だって、怒ってると思った瀬川さんから頭を撫でられたから…
しかも、誰もが見惚れてしまうほどの微笑み付きで。
てっきり怒られるかと思った俺は、瀬川さんの方を黙って見つめるしかなかった。

そしたらそんな俺に瀬川さんは

「ゆっくりでいいから、焦らずに言えばいい。いつまでも待っててやるから。」

と小さい子供をあやすかのように優しい声で言ってきた。
瀬川さんは、俺が緊張して話せないことに気が付いたのだろう。

だとしたら
どこまで優しい人なんだ。
俺の緊張をほぐしてくれるために、わざわざこんな言葉をかけてくれるなんて、
見た目も中身も格好良い人なんだなって思わずときめいてしまったじゃないか!

おかげで緊張がほぐれてきた。

ありがとう、瀬川さん。

今だったらゆっくりだけど
言えるかもしれない…
うん、大丈夫!
瀬川さんが俺のためにしてくれたことを無駄に出来ないよ

だから

俺はゆっくりと言った

「俺、瀬川さんと…友達に…なりたい…ですっ!」

よし!
言えた、言えたよ!
OKだしてくれるかな?
なんかドキドキしてきた

でも、そんな俺とは裏腹に

「………」

「瀬川さん?」

「………」

いくら待っても瀬川さんから返事は返ってこない

え!?
なんで?
もしかして…駄目…なの!?

俺は黙ったままの瀬川さんにすごく焦りを感じてしまう。

お願いだからなんとか言って!
じゃないと俺
ショックと恥ずかしさでどうにかなりそうです…。

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あきゅろす。
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