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プルト小説
その2
―試合会場跡地―

エリス「な…なにがあったの?;」

エリスはガラハドとグリーヴァに差し入れを持って試合会場建設地へと足を運んだ。

木々はへし折られ、花は散り、建設中の試合会場や資材、辺り一面の物が全て吹き飛ばされている。


エリス「! グリーヴァ!?」ダッ!

エリスは地面にうつぶせになっているグリーヴァを見つけ、すぐに駆けつけた。

エリス「グリーヴァ!グリーヴァ!しっかりしなさい!」ペシペシ!

グリーヴァ「う…うぅ…」

エリス「怪我は…無さそうね。」ホッ!

グリーヴァ「うぅん…ママ…?」ボケー

エリス「どこか痛いところない!?具合は!?一体誰がこんな事を…!!」

グリーヴァ「ふあぁ…!寝ちゃってたか…。」ノビー

エリス「ガラハドは!?ガラハドはどこなの!?」オロオロ

グリーヴァ「ママさっきからどうしたんだよ…って、うわ、なんだこれ辺り一面吹っ飛んでる!なんで?」


ザッ!

ガラハド「おいおい、グリーヴァ覚えてないのかよ!;いつつつ…!」

ガラハドが左肩を押さえながらボロボロの格好で現れた。

エリス「! ガラハド!;」ホッ!

ガラハド「この有り様、ぜーんぶグリーヴァがやったんだよ。」ヨロッ
(エリスが巻き込まれなくてよかった;)

グリーヴァ「え?そうなの?」

ガラハド「そうなのってオイ;お前がジャムクレープ食べれないショックから凄まじい渦が発生して、お前が泣いてる間に全部その渦に巻き込まれては吹き飛ばされたんだよ;」

グリーヴァ「そうだったのか…。でもあれはグレイが悪い!オレ悪くねーし!」プイッ!

エリス「そうなの?;」

エリスはガラハドを見る。

ガラハド「んー…、ま、そう言われちゃそうなんだがなぁ…やり過ぎでもある;」

グリーヴァ「オレもう建設しないからな!グレイいじわるだし!」

エリス「まぁ!どんないじわるされたの!?」

グリーヴァ「グレイがジャムクレープあげるって言ったのにくれなかったし見せつけるようにオレの目の前でジャムクレープ食べた!すごいショックだった!」

エリス「ガラハド!グレイはどこにいるのかしら!?」キッ!

ガラハド「いや、吹っ飛ばされたし俺もわからん;」

エリス「アンタの弟でしょ!」カッ!

ガラハド「んな無茶な;」

グリーヴァ「ジャムクレープ…!」グスッ!

エリス「あぁグリーヴァ…!可哀想に…!」ギュッ!

ガラハド「おいおい;確かにグレイが悪かったけれどたかだかジャムクレープくらい…」

エリス「ガラハド!」キッ!

ガラハド「えぇー?;俺とばっちり?;」

エリス「グリーヴァ、あとでママがグレイに文句言って謝らせるからね!」ナデナデ

ガラハド「ちょ、エリス甘やかしすぎ!;さすがにそこまでは…」

エリス「ガラハドは黙ってて!」
ガラハド「いーや、黙らない!前々から思ってたがエリスはグリーヴァに甘過ぎる!甘やかすのもいいが時には厳しくするのも躾だろ?」

エリス「な、なんでガラハドにそこまで…っ!」

ガラハド「グリーヴァとエリスの為に言ってんの!エリスが毎回そこまで甘やかすとグリーヴァは『泣いてわめけば思い通りになる』って覚えちまうだろ!それ絶対駄目だからな!?」

ガラハドは真剣にエリスにそう言い切った。

エリス「…な、なによ…、ガラハドのくせに生意気よ…!」ウルッ!

グリーヴァ「ママを泣かすな!ガラ兄のバカっ!」

ガラハド「俺は間違ってません!!」


ハーディス「―おい」ヌッ!

ガラハド「Σひっ!?;」ビクッ!

ガラハドの背後にいつの間にかハーディスが立っていた。

ガラハド「お…お祖父様!?;いつ戻られたんだ!?;」

ハーディス「少し前だ。それよりガラハド貴様…!オレが下界に行っている間、随分エリスに対して偉そうになったな…?」ゴゴゴゴ…

ガラハド「い、いやこれは!エリスとグリーヴァの為に心を鬼にして…!;」
(お祖父様の殺意がビシバシと痛い!;)

ハーディス「説明しろ。事によればたたっ斬る。」

ガラハド「あわわわ…」

     ・
     ・
     ・

ハーディス「……なるほど、それは確かにエリスは甘やかしている。」

ガラハド「だろ!?」

※グリーヴァはハーディスの釣竿を借りて少し離れた川で1人魚釣り中。


ハーディス「グリーヴァもグリーヴァだ。ジャムクレープの1つくらい力ずくで…」

ガラハド「Σちょっ!お祖父様!;」

エリス「なによ、2人して寄ってたかって…」プイッ!

ハーディス「スコールやデュランにはそんなに甘やかしてなかったのに、なんでグリーヴァだけ甘やかしている?」

エリス「そ…それは…、だって可愛いんですもの…///;」ボソッ!

ハーディス・ガラハド「「は?」」

エリス「うぅ…///;」

ハーディス「あのな、エリス…」

ガラハド「そもそもグリーヴァの父親はグリーヴァを叱ったりとかしなかったのか?」

エリス「ニコライ?ニコライは訓練ばっかりで子育ては一切しなかったし、叱ったりとかもしなかったわ。」

ハーディス「『ニコライ』…前にも一度聞いたな。ふーん…。」
(どんなツラしてんだか。エリスの夫はオレ以外全員気にくわん。)

エリス「試合会場が完成して賑わったら、ニコライも来て会えるかしらね…」

ガラハド「会いたいのか?」

エリス「そりゃそうよ、ニコライも私の夫だし。ムチャクチャな人だったけれどね、フフフ。」

ガラハド「まぁ…あのグリーヴァの父親だもんな、やっぱりかなり強くてかなり顔が良いんだろ?」

エリス「でもその代わり中身がムチャクチャだったのよ。あぁ、懐かしいわ…」

エリスはニコライとの楽しい思い出を思い返していたのか、楽しそうに笑った。

ハーディス「〜エリス!」ムカー

エリス「はいはいごめんね。ハーディスが1番よ。」

ガラハド「うわ、全く気持ちがこもってない;」
(でもグリーヴァやリレの父親かぁ…少し見てみたい気もするな。)


グリーヴァ「ママー!!」

少し離れた川からグリーヴァがエリスを呼ぶ。

エリス「何ー?どうしたのー?」

グリーヴァ「パパが釣れたー!」

エリス「そうー!良かったわねー!」


ガラハド「ははは、グリーヴァのやつ、父親釣ったのか!」
エリス「ハーディスより釣りが上手いんじゃない?」
ハーディス「なんだよ、オレだって本気出せばニコライの1人や2人…」


・・・・・・。

「「「Σなにいぃーっ!?;」」」


グリーヴァ「パパ起きろー!」ユサユサ

タタタタッ!

エリス「ニ…ニコライ…!?」

エリスは揺さぶるグリーヴァを止め、釣り上げられたずぶ濡れの男を見る。

茶髪の髪が水に濡れて顔にベッタリはりついており、口以外の顔が見えない。

エリス「………。」スッ…!

エリスは男の髪をかきあげると、眼を閉じていてもとても整った顔があらわになった。

エリス「ニコライだわ…!」

ガラハド「うわ!これは…!;」
(エリスって面食いなのか?;)

ハーディス「…………!」
(こいつがニコライか!)

ニコライ「…ゔ〜…ん…」ピクッ!

グリーヴァ「パパー」

エリス「ニコライ!気がついた!?」

ニコライ「ジャ…ム…クッキー…?」パチッ!


エリス「違うわよニコライ、私よ、エリス。わかる?」

ニコライ「…その声…エリス?……あぁそうか、『あの世』だから若い姿なんだな…初めて見た。」ボー

エリス「えぇ!」
グリーヴァ「パパ!なんで川にいたんだよ?」

ニコライ「…ん?グリーヴァもいたのか。元気してたか?」ナデナデ

グリーヴァ「パパ!♪」ダキッ!

エリス「とにかく、服と身体乾かさないと。」

ニコライ「それもそうだな。エリス暖めてくれ。」ヌギッ!バサッ!

エリス「Σちょっ!ちょっと!///;」


     ・
     ・
     ・


エリス「―え?滝で修行してたの?;」

ニコライ「あぁ。それでどこまでの水流に耐えれるか水流を一時的にせき止めたりと試していたら…」

エリス「流されて溺れて、岩にひっかかっては川底にずっといたわけね…。いくら探しても見つからないわけだわ。」ハァ

ニコライ「なんだエリス、探してくれてたのか!」ニコッ!

エリス「Σすっ…少しだけよ!///;」

ニコライ「照れるなって!♪よし、せっかく再会したしエリスはピチピチだしオレは裸だし!グリーヴァに弟か妹作るか!v」ガバァッ!

エリス「Σきゃああっ!;」

ハーディス「いい加減にしろ!」ブチッ!


ギャアギャア!


ガラハド「ハァ…。まさかあそこまで美形とか;」

グリーヴァ「ん?言うほど美形か?オレはパパよりガラ兄の顔のがカッコイイぞ!」

ガラハド「はは…ありがとよ;」
(なんか一気に惨めな気持ちに!;)


ザッ!

グレイ「ふー…全く、やっとたどり着いた…」

グリーヴァ「うげ!グレイだ!」
ガラハド「ようグレイ。全部吹っ飛んでるから1からやり直しだな。」

グレイ「グリーヴァ君!」キッ!

グリーヴァ「な、なんだよグレイが悪いんだからな!オレ悪くねーもん!;」コソコソ

ガラハド「と言いつつ俺の後ろに隠れるグリーヴァ。」

グレイ「発端は僕でもあるけれどグリーヴァ君は加減すら出来ないなんて信じられないよ!全く親の顔が…」

グリーヴァ「う…」グスッ!
ガラハド「おいグレ…」

エリス「あらグレイ、ご無事で何よりねぇ?親の顔ならちょうど揃ったとこよ?」ニッコリ
ニコライ「グリーヴァのパパことニコライだ。初めまして。」

グレイ「Σうわ!なんですかこのとんでもない美男は!;しかもなぜ全裸!?;」
(…って!え!?グリーヴァ君のお父さん!?)

グリーヴァ「パパー!このグレイがいじめるんだ!」

ニコライ「ははは!グリーヴァは相変わらずよく泣くな!」

エリス「そうだわニコライ、父親としてグリーヴァに何か言ってちょうだい。」

ニコライ「ん?そうだなー、グリーヴァ、男なら拳で語れ!!」グッ!

グリーヴァ「パパ…」

ニコライ「悔しいんだろ?さぁパパが見てやるからグレイに【全力で】ぶつかってこい!」キリッ!

グリーヴァ「うん!!」タタタッ!


グレイ「Σひぃっ!;もも申し訳御座いませんでしたあぁぁあ!!;」

グリーヴァ「じゃあジャムクレープ!」

ニコライ「オレはジャムクッキーを」キリッ!

グレイ「なんでニコライさんまで!?;」

エリス「ニコライ、服着なさい。」


ぞろぞろ…

ウェダ「はぁー;まだ目がまわるわ…」
セシル「凄まじかったね…ん?誰か知らない人が…え、全裸!?///;」

ウェダ「Σハッ!美男全裸だわ!!キャアァ!///」

「うわっ!ほんとだなんだあの美男全裸は!」

ザワザワザワ!


こうしてグレイはジャムクレープをグリーヴァに与えて仲直りし、ジャムクレープとジャムクッキーを餌にしてグリーヴァとニコライに試合会場を建設させる。

ニコライの傍にいるエリスとニコライの監視がてらハーディスも建設に加わり、ニコライ、グリーヴァ、ハーディスの噂や姿を知った女性陣が日に日に集まっては人手が増え、建設作業は順調になった。


―夜―

グリーヴァ「パパは左!ママは右!んで、オレは真ん中!♪」

ニコライ「お、なんだか親子ってカンジだな!」
エリス「そうね、おやすみ。」
グリーヴァ「おやすみ!」


ニコライら3人がいるテントの明かりが消えたのを遠目で見ていたハーディスとガラハド。


ガラハド「………はぁ。俺達もそろそろ寝ますか。」

ハーディス「………。」ギリッ!

ガラハド「ほらお祖父様も、我慢して下さいって。親子水入らずですし。」

ハーディス「チッ!」スタスタ…


ガラハド「…ふぅ。」
(でも……)

グリーヴァがエリスに惚れてたらミロの創作した話通りになっていたかもしれないな…。

その時になったら俺はやっぱり首斬ってグリーヴァの後を追うのだろうか?


ガラハド「…まさかな。さて寝るか。」

ガラハドは笑いながら夜空を見上げた後、自分のテントに入った。
いつもグリーヴァがひっついて寝ていたが、今夜から寝る時はしばらく1人である。

少し寂しさを感じながらガラハドは目を閉じた。


━━━━━━━━━━━━

ニコライはNPC夫婦から誕生したのでニコライのキャラパスはありません
m(__)m


ニコライはグリーヴァにほぼ武術の事しか教えず、エリスは結局甘やかしているのでガラハドがなんやかんやでしつけている(笑)

2013/5/23

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あきゅろす。
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