●白いと青い
初日
「ねぇ、凛都」
「ん?」
隣で掛け布団を畳んでる凛都に、昨夜の事を聞いてみた。
「昨日さ...夜中に部屋来たりした?」
凛都は動かしていた手を止めると怪訝な顔付きで俺を見やる。
「いや。.....なに?何かあった?」
「ぅ、ううん!唯、夢みただけ!」
また凛都に心配かけてしまう、と思い頭を振る。
夢
自分で言っておいて、何故か寂しくなった。
あれは本当に夢だったのか...。
「ほら、早く支度して!」
相変わらず、お母さんな凛都に急かされながら支度を始める
洗面台で髪をスプレーで黒に染める。
眼鏡を装着し、前髪を垂らし、方目が隠れるようにする
う〜ん、我ながらヒジョーに暗い......
「お待たせ〜」
玄関で待つ凛都の元へ向かうと、凛都は一つ頷き、
「よし、行こうか」
女の子が見れば喜びそうな、綺麗な微笑を浮かべた。
こうして、何だかんだで慌ただしく俺の転入初日が幕を開ける
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