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●白いと青い




「ぅ、うぇっ!?」


急に近くから聞こえた声に驚いて奇声を上げてしまった。
恐る恐る振り返った先、俺は完全に一時停止した。




だって




「どうしたの?大丈夫かな?」



そう笑いかけてくる...そう、アレだ。

微笑みの貴公子

よろしく、目の前には綺麗なハニーブラウンのウェーブがかった髪の美人さん。
全てのパーツに狂い無し!って感じで、ここが男子校だと知らなければ女性と見粉うばかりの美貌の持ち主。

しかし、先程から優しい微笑をくれるが、目が笑ってない様に見えるのは俺の勘違いだろうか。



「君、見ない顔だね。転入生かな?」

「へ?あ、ハイ!そうです。」



不意に尋ねられ、慌てて返答する俺。
ヤバッ、変に思われたかも。



「へぇ。こんな半端な時期に珍しいね。」



相変わらずの微笑みだか、何か引っ掛かる。
慣れない走りをしたせいか、まだ少しバクバク五月蝿い胸に手を当てたまま、前に向き直る。

落ち着くまでは...ちょっと、




何度か深呼吸したら、少しずつ動機が治まってきた。


ほっと息を吐いた、その時。視界の端に微かに捉えた何かに、反射的に飛び退いた。

そこには美人さんしか居ない訳で、どうやらその何かは美人さんの手だった様だ。
いきなり飛び退いた俺に、美人さんは驚いた表情だ。







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