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だってそういうことでしょう
ご主人様は負けず嫌い※ K×N
海斗×直人
本番なし


続・親の顔が見てみたい、の後




一度経験しただけだけれど、アナルセックスは好きじゃない。

痛いし苦しいし。 気持ちよくないし。
なによりも屈辱感が凄い。


「てことで、しばらくセックスはしません」


「は?」


海斗さんの部屋。
シャワーを借りた後、雰囲気に流されて深いキスを受けながら、押し倒されそうになった所を手のひらで制止をかけた。


「・・・じゃあ、コレどうしろと」


海斗さんが自分の股間を指差す。

ズボンを押し上げるモノをちらりと一瞥して、ため息をついた。


「・・・ちんこ見てため息つかれたの初めてなんだけど」


「・・・やっぱちんこ突っ込まれるのは嫌だ。アンタのでかいし」


「・・・ほめてる?」


「ほめてねーよ縮ませろっつってんの」


我ながら下品な会話だとは思う。
だけれどこれは重要な事なわけで、


「でも、コレしかないし」


「そりゃそうだけど・・・とにかく、したくない」


ボソボソと呟く俺に、海斗さんは完璧に呆れたみたいな顔をする。


「しなきゃ慣れないと思うけど?」


「・・・」


分かってる。それは分かってるんだけど


「何がそんなに嫌なわけ?」


海斗さんはため息をついた。

・・・俺だって別に性欲がない訳じゃない。
気持ちいいことは好きだし海斗さんの事が嫌いな訳でもない。
つながりたくないわけでもない。

何が嫌なのかと言われると。

・・・うん、やっぱりなによりも。


「あんたに、負けたみたいで嫌だ。」


俺男だし。Mじゃないし。
ああやって犯されるとか。

完璧に組み伏されて、屈辱的な気がして嫌だ。
佑真みたいには開き直れない。
佑真はドMだし。

しかも痛いし、こっちは余裕ないし。翻弄されるのもいやだ。


「ああ、そんなこと」


海斗さんは拍子抜けしたみたいに呟いた。
そんなことってなんだ。
そんなことって。

俺にとっては大問題なのに。

・・・だけれど、このままじゃらちが明かないってことも分かっている。


「別に、セックスが嫌って訳じゃ、ない」


あの屈辱感と、痛みさえなければ。


「とにかく、アンタにやられっぱなしなのが嫌だ。」


ぼそぼそと言った俺に、海斗さんがくすりと笑って提案したのは意外なものだった。


「・・・いいよ。じゃあ直人をご主人様にしてあげる」


「・・・え?」


「一個だけお願い聞いてあげる。直人が勝ってたらいいんだろ?」


冗談かと思ったけれど、どうやら本気らしい。

・・・ご主人様とか。
悪い響きじゃない。

今日だけだとしても、いつも余裕なこの人の主人が俺だとか。

初めてだ。

ちょっといい。かも。
どきどきしてきた。


「ど、どの程度までいいんですか」


「血が出る事と、ケツ突っ込まれるのはさすがに嫌だけど。それ以外ならいいよ」


海斗さんは笑う。
それから、まるで召し使いみたいに、俺の手をとって甲に口づけた。


「なんでも命令して、ご主人様。」



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



俺が、命令できるとか。
ご主人様とか。

倒錯的で、ちょっとイイ。

俺が今までさんざんやられてきた分この人にも。

精神的に、完璧に優位に立つにはどうすればいいだろう。
いつも余裕なこの人の、屈辱に歪む表情を見てみたい。
だけれどこの人は恥ずかしいことでも大概のことは平気な顔でやりそうだし。
俺自身にも、別に他人を痛めつける趣味はない。
それにSMもあんまり興味はない。

一つだけ。
一つだけか。


何をさせようかと頭を急速に回転させた先、
よぎったのは、レンタルビデオ店で見たパッケージだった。

・・・これはさすがに
でも、ほかに思いつかないし。


「・・・足、舐めろよ」


「っ、いい趣味してんね」


心臓をどくどく鳴らせながら言って椅子に座りなおすと、海斗さんがぴくりと頬を痙攣させた。

・・・ちょっと楽しくなってきた。


目の前に跪かせて、俺はベッドに腰掛けて。
見下ろすと彼は上目遣いに悔しそうな目をしていた。
やっぱりちょっと楽しい。
壊れ物でも扱うみたいに足をそっと持ち上げられて、甲に軽くキスされると、視覚的にも背徳的で、堪んなくぞくぞくする。
若干恥ずかしい気もしなくはないけれど。

海斗さんは文句も言わずに、足の甲に舌を這わした。
ぬるりと生暖かい感覚が気持ち悪くて、


「気分どう?」


「すげー屈辱」


「っ、」


屈辱とか言ってるくせに、躊躇なく親指を口に含まれると思わず背中が丸まる。
さっき風呂に入ってきたばかりとは言え、やっぱりさすがに恥ずかしい。

・・・自分で言ったくせに、もう後悔してきた。

海斗さんは絶対わざとだろって位にえろい顔をして指の一本一本に舌を這わす。
俺がやらせてるはずなのに、なんでこんな。

くすぐったい。

足首まで舌が這う。足を持ち上げられて、ふくらはぎを通り過ぎていく。


「毛薄くね?」


「っもともと、だから!」


ぐい、と足を持ち上げられて、ついでに肩を押されると、なすすべもなくベッドの上に転がってしまう。

膝の裏までなめられて、鳥肌がたった。
自分の脚越しに見る海斗さんはなんと言うかえろい。

これ、失敗したかもしれない。
舐めさせるとか俺の方が恥ずかしい。
足舐めるとか、ホントはもっと屈辱的なはずで、王様と奴隷の、なのに


「へん、たい」


「やらせたのはお前だから」


息がかかる。
そのままのし掛かられて、膝が胸につくくらいに折り畳まれて太股に軽く歯を立てられると、シーツを握った指に力がこもった。

やばい、このままじゃ結局


「も、いいから!」


「お願いは一個だけって言った」


短パンごと、無理矢理下着までずらされて、脱がされて

こんな格好、無理


このままじゃ結局、やられっぱなしだ。
むかつく。

付け根まで舌が這う。


「ひっ!まじで待っ」


「ご奉仕させて」


まさか、ちょっと、
そんな、

背筋を這う悪寒


「マジで止めろって!!っそこ、きたなっ、!」


慌てて顔を埋める海斗さんの髪の毛を掴んだ。

けれど


「やだっ!やだ!!まじでやだ!!!・・っひ!!」


ぴちゃ、と音を立ててアナの周囲を舐められると
快感とかそんなのよりも先に絶望感が襲う。


「そこ、足じゃな、」


こんなトコ舐めるとか、頭おかしい。
恥ずかしいとかそんな問題じゃない。顔熱いし泣きそうだし、どう考えても、こんなのっ、


「嫌だ!んなとこ舐めんなっ」


腰までつきだすみたいに高く上げられて膝を押さえ付けられて、しかも力が入れないからろくに身動きもできない。


「しつこ、い」


逃げようとなんとか膝から下をばたつかせて、腕をつっぱって掴んだ海斗さんの髪の毛を引き剥がそうとする。

だけれど


「・・・うっせぇな」


やっと顔を上げた彼の目が、あまりにも嗜虐的で、心臓が跳ねた。
冷めた、低い声。


「なっ、」


「煽るのやめてくんね?・・・優しくしようとしてんだから」


「は?煽ってなっ、」


「・・・抵抗されると滅茶苦茶したくなるんだけど」


当たり前だろ?

海斗さんは吐き捨てて、再び顔を埋めた。

呆然。
そんな当たり前、俺知らない。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



尖らせた舌で周りを舐められたりだとか
唾液を塗り込むみたいにされたりだとか
時折息を吹き掛けられたりする度に腰が跳ねた。

大人しく舐められてるとか、
ぴちゃぴちゃ音が鳴って恥ずかしいし、くすぐったいし焦れったい。

もうずっとそうで、しつこい。
ワケわかんなくなってきた。

だけど身じろぎする度に海斗さんがもっと酷くするから、

舐めるのが奉仕とか、嘘だ。
されてる方が恥ずかしい。


「っも、っいい加減に」


「そうだね」


「ひっ」


太股の付け根に吸い付かれて、ついでに指が侵入してくる。

べたべたに汚れているのとしつこいくらいに舐められたので痛くはない。
けれど

ちくりと痛みが走ったのと、ナカの良いところに触れられたの、同時だった気がする。

また、キスマークつけられた


「なんで、っこんな」


「今日は気持ちよくなってもらおうと思って」


「やだ!それ嫌だっ」


ぐ、っと海斗さんの指がソコを押す。
シーツを握る指に力が入る。


「気持ちイイトコ、体に叩き込まないと忘れるだろ?」


声なんか出したくなくて唇を噛み締めた。
2回目だっていうのに、俺の体は着実に変えられていっている。
正直怖い。
立ち上がったモノの先から先走りが垂れるのが分かった。


「直人も早くナカでいけるようになったらいいね」


「嫌だ、そんなのっ」


指を2本に増やされて、太股にキスされて、ぐちゃぐちゃ音を立てながらナカの良いところばっか刺激されて

ダメだ。やだ、こんなの


「早く、突っ込めよ!」


「もう?」


「も、いいから!はやく」


必死で海斗さんを睨み付ける。

ナカでいってしまいそうだなんて信じたくなかった。

何よりそんなとこ見られるとか絶対嫌だ。

それなら、まだ早く終わらせた方がいい。

ソコばっか指でされると変になってしまいそうで嫌だ。

こんなの、嫌だ。


「でも」


海斗さんが渋って、相変わらずソコを押すから、このままだと結局また

もうやだ、こうなったら


「早く、アンタの太いの、突っ込んで」


意識的に掠れた声を出す。
彼の頬に指を伸ばすと、海斗さんがびくりとする。


「・・・後悔すんなよ」


海斗さんの目が据わったのが分かった。


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