二話 ※執筆中
…さて、どうしようか。
学園の校舎が見えるほど地面に近付いた、ということはこのままだと大地に紅い華を咲かせることになってしまう。
多分、プチッと。
多分、ケチャップに。
別に地面に激突せずに助かる方法が無い訳でも…無い。
だが、なるべく学園内での使用は控えていたかった。
考えている内にも地面は近付く。
このままだと三十秒以内にに死ぬ。
…仕方ない。
こうなった原因である彼女には何時か責任を取らせるとしよう。
目を閉じて集中する。
…この世界では、魔法を行使することに法律、ルール、詠唱は無い。そうだな、例えば風魔法で風を操る場合。この場合、僅かでも風が吹いて流れが発生していないと風魔法は扱えない。火や雷、水も同じ。魔法の全ては存在が在る場所でしか行使出来ない。もし、存在が無い場所で魔法を使おうとした場合、術者は著しく体力を消費する。そして、人には必ず属性がある。最高で四つの属性を、最低で一つの属性を。地、水、火、風、闇、光。属性には強弱があり、地は水を、水は火を、火は風を、風は地を打ち消す。闇と光は互いに打ち消し合う。
そして、魔法を使うのに大事なのはイメージ。常にどうするか、どうなるかを想像しながら魔法行使する。
…だからイメージする。
身体の周囲を烈風が吹き抜けて行く。
その吹き抜けて行く烈風を自分の周囲に纏わりつかせ、徐々に緩やかな風に。
急激に風を緩やかにした場合、身体が引き千切れる可能性があるからだ。
細部まで課程を、結果を現実に投影する。
閉じていた目を開く。
顔を打ち付けて吹き抜けて行った烈風はもう既に緩やかな風へと変わっていた。
久し振りに魔法を行使して見たけど…上手くいったようだ。
安堵の溜め息を吐きつつ、半壊した一般校舎の屋上に着地する。
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