お前、彼氏いないだろ?
「もしもォーし」

「もしも…って…あー、坂田か…」

「あー、って、おま…何だよそのイヤそうな言い方。さすがにちょっと傷つくからね、ソレ」

「やだなー、坂田ったらちょっととか言ってー。あたしに遠慮せず、そりゃあもう盛大に激しくがっつりと傷ついてくれて構わないのにー」

「あのさ、お前の中に優しさという言葉はないの?この1分足らずの間で俺のガラスのハートは粉々なんですけど」

「うっさい天パ。電話にでてやっただけでも感謝してよね。………で、何の用事?学校のこと?」

「あー…いや」

「…用事は?言え天パ」

「天パって……」

「用事」

「無視ですかコノヤロー。んー…用事?用事ね、へいへい。あのさァ、お前、今ヒマなの?」

「え?」

「つか、今夜、ヒマ?」

「んーと」

「何、なんかあんの?」

「いや…………別に何も…あたしは、用事、ないけど」

「……」

「……」

「……」

「…………坂田…?」

「…いや、いいわ、うん。そんじゃまた明日な、学校で会おうぜ」

「………え、ちょ、何?だから何なの?今週もこれだけとか言わないよね?今週もこれ言うためだけに電話とかないよね?これ3週目なんだけど。何か意味あるの?もういい加減にし」

「じゃあなァー」

「はァアァア!?」


オイオイオイ、意味あんの?なんて聞くんじゃねーよ、大有りだっつーのコノヤロー!





お前、彼氏いないだろ?


毎週日曜日、電話にてお前の予定をチェック。今週も彼氏が出来た様子はねーな、なんてデート予定が入っていない事を確認してるんだっつーの。
………あ?いっそのこと告ればいいだろ、だとォ?ちょ、高杉テメー、ンな無理言うなコノヤロー!クッソォオォ、俺のチキンハートめェエェ!!





あきゅろす。
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