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1.焦がれる



メシエコード BK-201

それは私が追い求めるもの


彼はその世界では有名で、その驚異的な戦闘能力から「黒の死神」「呪いの契約者」といった異名を持っていた。これまでに全身を漆黒で身を纏い、奇妙な仮面を被った彼が関わったと思われる事件、案件は多い。けれどもその実体は掴めぬまま、それらは闇へと消えていく。

そう私が勤める警察ですら彼の謎を明かせぬままだった。




警視庁公安部外事四課

そこは警視庁において契約者がらみの事件を捜査している。この課ができたのは、十年前突如東京に出現した異常領域「地獄門(ヘルズ.ゲート)」がきっかけといっても過言ではない。

なぜなら「地獄門」の出現と同時期から「契約者」と呼ばれる特別な能力を身につけた者たちが現れたのだから。



「これもお蔵入りか……」

始末書とでもいうのか、犯人の捕まらない未解決の事件について綴られた紙をじっと見つめた。

その事件に関する情報のファイルやデータは机を埋め尽くすほどあるのに、決定的な犯人の逮捕には繋がらない。この紙切れもダンボール箱のなかに入れて、倉庫という名の物置部屋にお蔵入り。



資料を箱の中に入れながらほとほと考える。私「岡本るり」警視庁公安部外事四課に派遣されて、今年で二年目。職場の人使いの荒さと目が回るような仕事のハードさに何度転職しようと思ったことか(いまだにそれはできていないが)。


なんで転職しようと思ってもしないか、それはこの世の中そうそう楽な仕事なんて見つからないからっていうのもあるが、私がここにきて初めて謎の正体を掴めぬ悔しさを覚えたから。悔しさとともにその犯人に興味をそそられたからだと思う。


BK-201、それは男の契約者だとしか分かっていない未確認の謎。

その謎に事件が起こるたび幾度も関わっていると、彼の正体を謎をあばきたくてしょうがなくなった。




それはいくら仕事が厳しくとも辛くともくじけないくらい。

まさに、熱く恋焦がれるように彼のことが気になった。






「岡本!BK-201と思われる奴が現れた、事件だ、すぐこい!」

聞こえてきた大声は同じ課の斎藤先輩の声、すぐ振り返るとそこにはがたいのいい斎藤先輩といかにも優男って感じの河野先輩がいた。


「るりちゃんがお熱のあの契約者だってさ」
「バカ言ってないで行くぞ!」



お熱…その言葉はあながち間違いじゃない。不謹慎なのはわかってるけど、胸の奥がうずうずしてるから。

「はい!今すぐ行きますっ!」



私は君に焦がれる…






*…後書き
DTB黒の契約者でしたっ!
初お題に挑戦です^^。のろのろだけど頑張ります。

一応、補足としてこのお題の主人公ちゃん設定を。るりちゃんは警視庁公安部外事四課に勤めています。斎藤や河野が何年四課に勤めているかはわかりませんが、とりあえず捏造でるりちゃんの先輩にさせてもらいました。
四課にきて初めて恋焦がれるように、正体をあばきたいと思ったのが黒(ヘイ)だったという設定です^^。このさきで黒への恋愛感情が生まれるといいななんて思ってます。

ここまで読んでくださって有難うございました!









あきゅろす。
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