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嵐の夜に(時かけ/ちあまこ) make a wish and when you close your eyes I will come to you. 呼び出し音が三回なる前に、千昭は出た。 「もっしもーし」 「真琴?」 「千昭、台風大丈夫?」 「ああ結構風の音うるさいけどな」 「千昭一人暮らしじゃん。ちゃんと戸締りした?雨戸も閉めた?」 「大丈夫だって」 「そう…」 「ニュース見てたけどこれから北上するって。今夜しのげれば問題ないだろ」 「うん。…なんかさ、嵐の夜ってわくわくするよね」 「のん気だなお前。雷はだめなくせに」 「だめじゃなくて苦手なだけ!」 「ははっ変わんねえじゃん。ま、でもわくわくするのはわかる、かも」 「でしょっ?こう大冒険の始まりっていうかさ、知らない場所に来たみたいな」 「非日常な感じ」 「そうそう!!…明日は学校休みにならないかなあ」 「うーん、朝にはおさまってそうだし」 「ちょっと期待したのに…」 「サボってどっか行くか?」 「こらこら」 「ちぇ」 「もうっ。…あーだけどさ、学校一緒に行かない?」 「結構道違うけどいいのか?」 「えっとね、あのいつも分かれる曲がり角のとこ!」 「ああ、なるほどな。いいぜ」 「ありがと」 ほんとは今すぐ行きたいんだけどね。 耳元に流れる声を聞きながら思った。 携帯ごしの千昭の声はいつもより高くなっていて、 はやく顔が見たくなった。 「そんなに俺に早く会いたい?」 「はっ!?ばっ、馬鹿じゃないのほんとに!!!」 「なんだよ俺だけ?」 笑いながら、あくまでも軽くすねた声。 聞き間違いだろうか。 それにしてははっきり頭に残っているのだけど。 「えっ、千昭?」 「じゃーなまた明日」 「ちょっとまって…もうっ」 一方的に切れてしまった電話。 嵐よりも強烈に吹き荒れていってしまったセリフ。 明日どんな顔で会えばいいんだろう、と思わず手で顔を仰いだ。 The turn I have just taken The turn that I was making I might be just beginning I might be near the end. |