使い古した(二主)
授業をサボって二人で屋上にねっころがっていた。
一年に一度くらいこういう日があっても良い。
見上げた蒼穹はどこまでも続いていて、このまま飛び込んで溺れてしまいそう。
「あんまり良い天気だと、このままどっか行っちまいたいな」
「行きましょうか」
なんでもないことのように二見が頷いた。
「ジュリエットはどこへ行きたい?」
ソラが青かったから。
雲が大きかったから。
隣に二見がいたから。
「お前がいるならどこでもいいけど」
古来より、もしかしたらロミオとジュリエットだって言ったかも知れない、
使い古された限りなく本音に近い戯言を口にしてみた。
「アナタってば…時々真顔で冗談言うから、心臓に悪いよ」
雨の最初の一滴だとか、雨上がりに恋人と見る虹だとか、蒼い月が反射した窓辺とか、そういった綺麗なもの全部集めた顔で二見は微笑んだ。
「まあアナタの側を離れるつもりはないから、ご心配なく」
パチンと気障に片方の目をつぶってみせた二見は、全く照れた様子もなく言い切った。
(心臓に悪いのはどっちだか)
ゆっくりと多い被さって来た影に俺は目を閉じた。
end
無料HPエムペ!