微妙な悪友
4000hitキリリク あや様へ
微妙だけど、
俺達、悪友だから。
〜微妙な悪友〜
学校中で噂されているこの二人、カシス&シードル。
どういう関係かこの二人、悪友です。
「はぁ…、なんかこれ、イマイチだなぁ…。」
自分の絵と睨めっこするシードル。
美術室で独り、美しい風景の絵を描いていたのだが、センスがないらしく、またやり直した。
あちらこちらに散らばっている失敗作は、何十枚もある。
「どうしたんだよ、シードル。絵と睨めっこして、楽しいかい?」
部屋に誰か入って来た。シードルは振り向かずとも、誰なのか検討がつく。
自分をからかってくるのは、アイツしかいないと。
「なんだい?部屋に入る時は、ノックぐらいしてよね。」
「そんな礼儀正しいことすっかよ。てか、ここお前の部屋でもねぇし。」
おかしな奴だなと、クスクス笑っていた。
シードルは無視して、また新しい紙を用意して描きはじめた。
「んー?一体何を描いているのかなぁ?」
カシスはシードルの絵を覗き込む。
シードルはただただ、絵を描いていた。
「集中出来ないんだけどね。」
絵を描きながら言った。
はいはい、とカシスは、絵を覗き込むのを止めた。
「できたら、見せてくれよ。」
「いいよ。ただし、触っちゃいけないからね。」
「へいへい。」
そう言って、二人はお互い笑い合った。
仲が悪い訳ではなく、また、そんなに仲良しな訳じゃない。
ちょっと微妙なこの二人。
でも、仲良しなんです。
微妙なとこから、悪友と呼ばれるようになった。
end
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