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ツンデレに隠された愛の表現


3100hitキリリク 榛海 豆周様へ






なぁ、シードル


お前って、どうして俺だけに、そんな態度とるんだ?



〜ツンデレに隠された愛の表現〜





今日も教室の中は賑やか。
あと一時間で、授業が終わる。


まだ授業中だけど、今は先生いないし、自習だが、みんな好き勝手にしていた。


「シードル。」


俺は、隣にいるシードルに話しかけた。


「なぁに、カシス?」


なぁんか面倒くさそうなツラしてきやがった。

それは、何故か俺だけ。


なぁんでかなぁ?



「自習だと言うのによ、お前絵ぇ描いてていいんか?」

「なにもしない君よりはマシだと思うよ?」



A4くらいの一枚の紙で何か描いてる。

気になってそれを覗こうとしたが、



「見ないでよ!!」


バッと両腕でその絵を隠された。
しかも何故か顔が赤い。

ほんの僅かだが、チラッと銀色の髪が見えた気がした。


「なんだよ〜。つまんねぇの〜。」


知らないフリをした。

バレバレだっつの。

小さく呟いた。



「ルチア姫のでも、描いてたのか?」

「姫のはさっき出来たよ。」


シードルは机の中から一枚の紙をカシスに渡した。





「やっぱりシードル君は上手いねぇ。」

「姫の美しい姿を描くのは好きだからね。今度はドレスを着た姫を描くつもりさ。」

「…姫、男だぞ?」

「わかってるよ。でも、僕の中では、姫は綺麗な聖少女さ。」

「…あぁ、はいはい。」


呆れた、とカシスはガクッと頭が垂れた。


「それよりさ、今描いてるその絵、なんだ?」

「な…何でもない!!」


フイッと顔を反らすシードル。

さっきより顔が一気に赤くなっていた。


「ふーん、何でもないならいいや。俺、姫を誘ってくるや。」


と、ルチアの方へ向かおうとしたその時、


「ダメ!!!」


後ろからギュッと抱きついて来た。

後ろを振り向くと、シードルが顔を真っ赤にして、密かに腕が震えてるのが腹部に伝わって、その腕は離そうとはしない。


「行っちゃ……ダメ……。」


いつになく弱々しい声でボソリと呟いた。


カシスは微笑ましそうに笑い、シードルの頭を撫でる。


「よしよし、可愛い子猫ちゃん。なんなら俺とデートするかい?」

「……ブラックローズ。」

「ぐはぁっ!」


魔法をカシスにぶつけ、教室から出ていく。








こんな僕を許してね?

素直になれないけど、でも、これは君だけ特別


大好きな貴方だけ…





END


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あきゅろす。
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