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隠れた想い


1350hitキリリク 風京様へ






僕達って、仲良しだよね?


俺達って、親友だよな?



僕ね、あなたを見ると、変に思う気がするの…。


俺、君の隣にいると、胸が苦しくなるんだ…。





一体――…




この気持ちは、なんだろう…。


〜隠れた想い〜




「お前らって、最近仲良すぎやしないか?」


カシスのいきなりの一言に驚く二人。二人というのは、ガナッシュとルチアだ。

確かに二人は、最近仲が良くなってきてる。

でも、それが更に良くなってきてるんじゃないかという二人を、クラスメートは皆心配していた。


「悪いのか?」

「いや、悪いというか…最近仲良すぎだからさ。
あんま仲良すぎない方が…」


じゃねぇと…と恐る恐る付け足したが、その先は、流石のカシスも言いにくかった。


「なんでだ?」

「あらら〜?ガナッシュは気付かないの〜?つまりね〜……」

「わぁああーーっ!!!何でもない!何でもないよ!!」


キャンディが慌ててアランシアの口を手で塞いだ。

ガナッシュは、難しそうな顔をしていた。勿論ルチアもだった。



疑問が残る二人。





「何で、仲良すぎちゃいけないの?」


とルチアは、カシスに尋ねると、またしてもカシスは、恐る恐るこたえる。


「だから、さ、その…なんていうか……うわぁああ!!やっぱり言えねぇっ!!」


と、カシスは、後ろにいるキルシュにバトンタッチした。


すまん、後は任せた!と全てをキルシュに押し付けた。



「お、おい!ズルイぞ!カシス!!」


が、カシスはいなかった。

あいつぅ!とカシスを恨むキルシュであった。


「もういいよ。
行こう、ルチア。」


ばかばかしいと思ったのか、話しをやめるガナッシュ。

ルチアの手を握り、教室を出た。


「あぁ〜、怒っちゃったかも〜。」

「そりゃそうだろ。
特にガナッシュは。」

「もしかして〜、あの二人、デキちゃってるかも〜。」

「Σあっあんた!
よくそんなこと言えるわねぇ!!」


アランシアの言葉が、本気で言ってるのか、冗談で言ってるのか全くわからない。




若干恐ろしく思うレモンであった。



廊下を歩く二人、ガナッシュとルチア。


今でも、さっきの話が気になって、頭から離れない。


「何で、仲良すぎちゃいけないんだろうね。」

「さあな。」


話しながら、歩いて行くと、目の前に一人、男子が立っていた。

目線は、ルチアの方に向いていた。


「姫。俺、前から姫のことが好きだ!俺と付き合ってくれないか?」



いきなりの告白。


ルチアは、どう対応したらいいのか、わからなかった。


相手は、ルチアに手を伸ばす。



それを見たガナッシュは、触れさせないように、ルチアを抱き寄せた。


「触るな!!」


しっかりと抱き締め、睨み付ける。

ガナッシュの凄まじい形相に、ブルッと、相手は震えあがった。


そして、逃げて行った。


抱き締められたまま、ルチアは、ガナッシュを見上げた。


「ガナッシュ?」


抱き締めていることに気付いて、ガナッシュは、すぐさま離れた。



「ご、ごめん!」

「ううん。
さっきは、ありがとう。」



無意識に出た言葉と行動が、今でもはっきり覚えている。


どうしたのだろうと、不思議に思う。



お互い、顔が赤くなる。



「最近、ルチアといると、胸が苦しくなる時があるんだ。」

「僕も…前からガナッシュのこと、変に…。」


ますます顔が赤くなる二人。




もしかして


この気持ちは…



「ルチア。
俺、君のこと、好きになったのかもしれない。」

「僕も、ガナッシュのことが…。」


一瞬躊躇ったが、自分の本当の気持ちを、ガナッシュに伝えたかった。


「僕も、ガナッシュが好きっ…!」




ルチアは、ガナッシュに抱きつく。

ガナッシュも躊躇わず抱き締め返す。



その腕は、離さなかった。


とても、暖かくて、安心してしまうくらいに。



(皆の言ってたことは、こういうことか。)


一人納得するガナッシュだった。


自分達の思いに気付いた二人は、嬉しそうに抱き合った。





END


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