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お花と私と君


300hit代リク うぐいす様へ






姫の周りをうろちょろしている悪い虫が気に入らないという王子ミント。

今日も姫を守ろうと必死です。


〜お花と私と君〜




「全く、もうルチアに近付かないでよ。」


何が起こったのかというと、先程ルチアファンの生徒が、懲りずにルチアをデートに誘っていたという。

それを目撃したミントは、得意の蹴りでルチアファンを撃退した。

そこに廊下に数人倒れている生徒がいたのをクラスメート達が見つけた。


「さすが〜。
ミント王子だね〜。」


アランシアが感心したかのように言った。


「まぁ姫を守るのは当然だよな。一応王子だし。
ガナッシュ、お前も一応王子だぜ?
なんで助けてやんないんだ?」

「ミントに先をこされたからだ……。」


カシスの言葉に、ガナッシュは顔を赤くして反らす。

カシスは密かにニヤニヤと笑っていた。


ルチアはミントに向かってにっこり笑顔で


「ありがとう。」


お礼を言った。


その顔だけはダメなんだよぉぉ!!

心で叫んだ。
ミントは、ふらりと、よろめいた。

ガナッシュなんか、ふらーっと、たおれてしまった。





(((ルチア姫の笑顔って、ホント最強ιι)))

言葉が重なり、クラスメート達は、心の中で突っ込んだ。


なにせ、ルチアの笑顔は誰よりも最強だからだ。

太陽のように暖かい笑顔を持つのは、ルチア以外、他にいないだろうと、クラスメートの一人、キルシュは思った。


「ねぇ、ミント。
まだお昼休み時間だよね。
一緒に、中庭に行かない?」

「え?
うん!行くよ!」


最初驚いた。
殆ど、自分が誘っているのに、ルチアから誘ってくるのは、初めてだった。

ルチアの言葉に、ミントは笑顔で頷く。

そして、調子に乗って、ルチアの手をぎゅっと握り、教室を出た。


まだ気絶中のガナッシュを、カシスとキルシュは、しょうがないなとため息を吐き、保健室に運んでいった。



二人は、中庭にある花壇にいた。

ふとミントが何かに気付いた。


「あっお花が萎れてる…。」


地面に座り込んで、お花を見る。

1本だけでなく、何本か萎れていた。
ルチアは、お花に触れてみる。

確かに元気がない様子だ。
ミントの瞳は悲しそうな瞳になる。

ルチアは、お花に笑顔で囁く。


「大丈夫。
今、お水をあげるから。」


ルチアは、ジョウロを持って来て、シャーッとお花に水をかける。

かけながら、ルチアは呟く。


「水は命を潤すもの、そして、乾いた心も潤す。
あなた達の乾いた『心』をこのお水で潤してあげる。だから、元気を出して。」


すると、萎れていた花が、少しずつぴんと伸びていく。
ルチアの言葉が届いたのか、花はすっかり元気になっていた。

ミントは、半分感心し、半分驚いた。



『ありがとう。』

「どういたしまして。」

「ルチア、またお花の言葉聞いたんだね。」

「うん。
でも、やっぱり僕って、変な子かな……。」


少し笑顔が崩れた。
植物達と話ができるルチアを、周りの人間は、嘲笑っていた。

誰も、彼の言葉を信じようとはしなかった。

小さい頃、そんなルチアを理解できるのは、ミントだけだった。
今では、クラスメート達も、彼の言葉を信じている。


「そんなことないよ。
とっても素敵だよ!」

「本当?ありがとう…。」


ミントが優しく慰めてあげたことで、少し弱気になったルチアも笑顔を取り戻した。



これからも、彼のことを守ろうと、ミントは心に誓った。

花達は、そんなミントを応援するかのように、揺らいでいた。





END


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