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好きだから


ユオ様より




俺は弦一郎が好きだ。

でも、この思いは打ち明けあげれてない。

そんなことしたら、弦一郎は何て言うだろうか?

それに、今の関係が壊れるようで・・・。

怖くて怖くてたまらない。

こんな思う日々も、

時間だけが過ぎて、この思いは変わらない日々。



「俺も臆病なものだな・・・」






休日の昼。

今日は久しぶりに部活を休みで、柳は椅子に座って最近買った本を読んでいた。

が、全然身に入らない。


「・・・」

もし、俺が弦一郎にこの思いを打ち明けたら、弦一郎は何て言うだろうか?

今の関係のままでいられるか?

恋人になったとしても、俺は弦一郎を今までのように支えられるか?


柳は本を閉じる。


「・・・今日は身に入らないな」


少し、出かけるか。


と出かけようとすると



プルルルル


「?電話か」


ガチャ


「はい」


[蓮二か?]


「!」


受話器から、俺の思い人の声。

[・・・蓮二?]


「あ、あぁ。弦一郎。


どうした?」


[どうしたもこうしたもないだろう?


今日は家に行くと昨日言っただろう]


「あ、・・・そうだったな」


そういえばそうだ。

昨日弦一郎が来ると言っていたな。

忘れるなんて俺らしくもないな・・・。


[今家の前なのだが、鍵が閉まってるぞ]


「そうなのか。今開けるから待っていろ」


母さんが出かける際閉めたのか。


[分かった]


ツーツー・・・。


俺はゆっくりと受話器をおく。


「開けてこなければ、な・・・」


弦一郎、俺がもしお前が好きだと打ち上げたら、お前はどう返事くれるだろうか?

俺たちの関係はどう変わってしまうのだろうか?

ガチャ


「待たせてすまない」


「うむ」


と言いつつも、弦一郎を家に上がらせる。


「今日はなんだか変だな。蓮二は」


机にお茶を置きながら俺は弦一郎を見る。


「何がだ?」


俺は、座りながらも聞く。


「なんだか、暗い顔をしているから・・・」


そう言うと、弦一郎は悲しそうな暗い顔をする。

何故お前は暗い顔をするんだ?


「いや、そのようなことはない」


できるかぎりの笑顔を見せる。


「また、暗い顔をする」


「・・・何故そのようなことが分かる?」


「なんとなく、だ。


それにお前のことだからな。一番理解していたいのだ」


「・・・」


「違ったのなら謝る。


しかし、俺は・・・あまり無理をしてほしくない。

何かあれば、俺に」


「弦一郎」


俺は弦一郎の言葉を途中で切り、傍によって優しく抱きしめた。


「蓮、」


「弦一郎、お前が・・・好きだ」


俺は弦一郎の言葉を切り、今までためていたこの思いを打ち上げた。


未来なんて誰も分かりはしない。

だから、俺は受け止める。

悲しみも楽しみも・・・全部、全部。



沈黙が続く。



「お、俺は・・・」


沈黙の中弦一郎が口を動かす。


「俺は・・・蓮二・・・」


「ん・・・?」


抱きしめながらも優しく問いかける。



「俺は、蓮二のことが・・・す、好き、だ///」


余程恥ずかしいのか途切れ途切れになっている。

しかし俺にはきちんと、その声は聞こえていた。


「・・・そうか」


俺は優しく笑う。


嬉しい。

こんな感情が、俺の心に広がる。


俺はさっきよりも、強く抱きしめる。


「弦一郎・・・」


「な、なんだ?///」


「俺達は、これで恋人なんだな?」


「そ、そうだ・・・な////」


肩に乗せてる顔を上げ、弦一郎の顔と見る。

弦一郎は顔を真っ赤にしながらもこちらを見ている。



「嬉しいか?」


「う、うむ・・・」


「フッ・・・俺もだ」


俺はゆっくりと、顔を近づける。

そしてそのまま、軽いキスをする。


「んっ・・・////」


「これから、恋人としてよろしく頼む」


「う、うむ////」



「愛してる、弦一郎。離したくないほどにな」


「お、俺も・・・だ////」


それから、俺達の関係は変わった。

もう怖くなんてない。

関係が変わろうが、俺は弦一郎が好きだ。

ただ、それだけ。




終わり


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