揺れる水面に獣は飛び込む
「ねぇ、ブルーベリー?」
「なぁに?マフィン」
――…僕は今、とても幸せだよ。
揺れる水面に獣は飛び込む
ブルーベリーに告白されてから、二ヶ月がたった。
最初、その事をクラスの皆に話をしたら、全員にキッとした顔をされた。
その反応を見た時、なんだか気が抜けたような、ちょっと恥ずかしいような気分だった。
「なー。マフィン。お前、やっとブルーベリーと付き合ったんだな。」
ある日、ベッドに潜って本を読んでいたら、カシスに話しかけられた。
「ん〜?まぁね☆…邪魔したら只じゃ済まな…」
「あー。はいはいはい。邪魔はしねぇよ。」
本当だって。と、銀髪の親友は笑って僕の頭をくしゃくしゃと撫でる。
ちょっと子供扱いされてムカッとしたから、『シェリーは絶対あげない。』と言ってやった。
カシスが引きつった笑みを浮かべながら、おやすみ。と言っていた。
初めてブルーベリーを見たのは入学式。
新入生挨拶で壇上にあがった彼女の青い髪は日の光に照らされて、本当に綺麗だった。
でも、挨拶を読み上げる前に気分が悪くなって倒れちゃったんだっけ。
んで、裏でそのことを笑ってたカシスと喧嘩して。
怪我治しついでに、保健室に行ったら傷だらけの血だらけでブルーベリーにビビられた。
その後、
何か月が過ぎた時に裏庭で探し物してる彼女がいたから、一緒に探して。
カベルネ(←いじめの主犯)をお仕置きして。
それから、よく話をするようになった気がする。
そんで、最近はめでたく付き合う事になって。
なんだ。
学校に入ってから僕が起こした問題って、全部ブルーベリー絡みじゃないか。
かなり過保護だね。僕。
告白された時は考えられないくらい大好き。
最初は、君から貰ってばっかりだった愛情も、今じゃ僕の方がたくさん注いでる。
それくらい、大好き。
「ブルーベリー!!」「なぁに?マフィ…きゃあ!」
次の日
僕は登校途中のブルーベリーに後ろから抱きついた。
腕の中に閉じ込めると真っ赤になる君。
口をパクパクさせて恥ずかしそうにしてる。
そんな事してる彼女は、やっぱり可愛いと思えて。
耳元で軽く囁いてからほっぺにチュウした。(ブルーベリーはこれに弱いんだ。)
「マフィン…!!」
「あはは♪ブルーベリー タコみたい。さ、早く行かないと遅刻するよ。」
ブルーベリーの手をとり、走り出す。
「ちょ…まって、マフィン。転んじゃうわ!!」
「転んだら僕がだっこして連れてってあげるvv」
「…〜〜〜!!!」
今度こそ茹ダコのように真っ赤になったブルーベリーは、おとなしく走り出した。
ぎゅっと抱き締めると真っ赤になる君。
僕が手を差し延べると、戸惑いながらも手にとる君。
どんな歩調でも、一緒にあわせて歩いてくれる君。
みんなみんなみんな
どんな君でも大好きだよ。
「ねぇ!ブルーベリー☆」
「なぁに?マフィン」
大好き!!
.
無料HPエムペ!